俺はこうして、神と決別した

saito sekai

とことん自主性がない男の物語

その日は花火大会だったので、出掛けたのだ。周りはカップル、家族連ればかり。一人で来ているのは俺くらいかな…

趣味も特にない、彼女もいない。日曜日は暇をもて余してしまう、そんな人生だ。

駄菓子屋でラムネを買って飲む。キラキラしたビー玉…昔と変わらないなぁ…しかし俺は不思議なことに気付いた。えっ!なんかいる!ビー玉の中に人がいるのだ。


ビー玉の中の人物は囁く。「私はあなただけの神なのだ。これから1日一回行動を指示する。退屈しのぎには最適だぞ」


それから俺は、神の指示で暇を解消しだした。その内容は「山手線をぐるぐる回ること」とか、「○○駅のカフェでお茶する」とか、当たり障りが無いものばかりだったが、自分で考えなくて済むから楽なのだ。毎日違うことが出来る、とても新鮮だ。


しかし、そんな神頼みの日々は、あっけなく終わりを告げる。


さてと、今日の指示は何だろう…いつものように、ビー玉を凝視した。神はこう告げたのだ。


「女とヤレ」


その瞬間、ラムネ瓶を捨てた。 Fin


~saito sekaiの解説~

そんなこと、普通にやれたら神に頼ったりなんかしないと彼は言ってます。(このように解説しろと、彼に言われたけど、どこまで他力本願なんだか…)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

俺はこうして、神と決別した saito sekai @saitosekai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ