第11話 やっちゃったな
木曜夜、23時。
最悪だ、やっぱり『相談』なんてするもんじゃなかった。
僕は『相談』を上長中心に数名に向けて行った。案件が複数種類あったから。全員で共有しておくべき事項だったから。
1人は心から心配して声を掛けてくれた。それが申し訳なくもあり、温かくもあった。もう1人は文面で言葉をくれた。
Toの本人である上長からは
無視と罵倒をいただいた。
ああ
最高だ。
今日は特別な独立記念日だ。
どっちつかずの心を強引にねじ曲げるほどには、衝撃的で好奇的で決定的な出来事だ。
僕は仕事を辞める。
回りっぱなしのルーレット。その針がようやく未来を指した。
勧善懲悪たる徹底ぶりに、感謝さえ覚えてしまう。きっとこれくらいの出来事が無いと、抱えたまま死にたいまちにちを綴るだけの日々になるであろう僕に、神様はチャンスをくれたのだ。
そうでも思わなければ思わないだろう。
『何故相談しなかったのか』
なんてその態度がもう答えだろうに。
あーあ、やっぱり『相談』ってクソだな。
結局何も生まれなかった。
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