ああ、ご苦労様です

なんとかシエナを店の外に連れ出すと、そこに、


「君達、ちょっと」


と声をかけられた。見ると自転車に乗った警官の姿。


と言うのもここは、前の世界で言うと昭和30年代くらいかな?の文明レベルなんだ。建物や街並みから受ける印象はヨーロッパぽいかなという感じもありつつ、魔王ングブド率いる魔王軍の侵攻は大戦レベルで、王都さえほとんど焼け野原になるほどのものだった。


つまり、元々中世ヨーロッパ風の世界じゃなかったんだよ。科学の代わりに魔法が技術として進んでいる状態で。


でも警官は、


「ええい! 放さんか! この痴れ者どもめ!」


と暴れるシエナを見て、


「ああ、ご苦労様です」


すべてを察した風に口にした。


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