第9話
さっそくホーム獲得チケットを使うために"御使いの待機場"に来た。前回来た時にはなかった家が4、5軒ある。どうやら俺が初めてではないらしい。横に並んで建てているから俺もそれに倣う。できたが外装は他の家と同じ白い何かでできた豆腐みたいなものだ。内装は何もない。改築メニューがあるが外装を変えたり、間取りを変えたり、部屋を増やすくらいだ。工房もあったが炉や道具は自分で用意しないとダメだった。はやく街に行かなければならない。
平原を歩き回って道を見つけた。左右どちらも村や街が見えないが、左側は森が見えるから右側に進む。ろくなアイテムもないのに敵が多そうな場所にはいかない。
何日もかかってようやく街が見えてきた。そして街に入るため検問を受ける。
「まずこの石板に手を乗せろ。」
「はい。」
石板がなんか光り、宙にウインドウが出た。俺のステータスだ。今のレベルは5だな。
「御使いか珍しいな。それにどこの勢力にも属していない。……よし。次はこっちの道具に触れろ。」
天秤の台座に触れると天秤が動き出したが釣り合った。
「っ?!カルマ値が釣り合っているだと?!」
「え?」
カルマ値?マスクステータスかな?どうしたら増減するのか知らないけど、釣り合っているのはおかしいのはわかった。
「お前、何者だ!!」
「俺は御使いですよ。」
「レベルが上がっているんだぞ!御使いといえどおかしい!」
「俺は不思議な門の先でレベルを上げた。」
「不思議な門?……そこでは倒したら死体はなくなってアイテムが落ちるところか?」
「そうです。」
「……いつ生まれた?」
「最近ですよ。1週間も経っていない。」
「そうか…生まれたてか。通っていいぞ。」
いや説明してほしいけど。
「説明してくださいよ。」
「……いいぞ。少し待っていろ。」
他の衛兵と代わって説明してくれる。
「何からわからない。」
「全部。」
即答したら顔に皺を寄せた。
「……ステータスを見たのは危険な勢力だったり、スキルを持っていないか確認するためだ。カルマ値とは生命が生きれば善い事や悪い事を行う、それの質や量により値は変わる。そして悪の値が多すぎると基本的に犯罪者と見なされる。」
ふむふむ…。ようは善と悪2つの数値があって普通はどちらかが多い。だから釣り合うのは難しいから俺が何かしたと考えた。って感じか。
「何をしたら悪の値がふえやすいの?」
「……世界の法を破ることだ。それが何かは知らないが破ってはダメだ。破ったら崩壊論者たち以外の勢力が全力で排除する。」
壮大だな。後は…
「あの不思議な門は?」
「お前がどこにいったかわからないが多分ダンジョンだ。」
「どんなところですか。」
「知らん。行ったことがないし、俺は普通の平民より学はあるがそこまでじゃない。」
「……ありがとうございました。」
衛兵はこちらを見ずに戻っていった。レッドになりたくないし気が向いたら調べるか。
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