魔王アリスは、正義の味方を殺したい。 後編
ボヌ無音
前作までのあらすじ 人物紹介【ネタバレ注意】
「正義の味方を殺せますか?」
「それじゃあ、キミ、魔王にならない?」
神様の手違いによって、現代社会での命を落とした
彼女は幸運にも、自分の好きな悪役になれるチャンスを得た。
彼女はアリス・ヴェル・トレラントという新たな名前を作り、魔王たる自身を創造した。
確実に勇者を殺すことを望んだ神は、アリスに世界レベルの最高峰である199レベルを超えた、200レベルを与えた。
そして一人では不安だという彼女は、仲間の幹部も同じく生成。共に新たな世界で、魔王としての人生を歩むことに。
アリスが殺すべき相手は、オリヴァー・ラストルグエフという少年だった。
オリヴァーもアリスと同様に転生者であり、この世界の勇者として命を得た。世界の頂点であるレベル199を達成した彼は、その勇者という名前に相応しい。
同じく彼の率いるパーティーの面々は、高い水準を誇っている。
当然ながら、勇者がいれば魔王も存在する。
アリスの前の代の魔王は、人間をやめて魔人化したヴァルデマル・ミハーレクという魔王だった。
ヴァルデマルは魔族を集めて、城を作り、世界を掌握しようと画策していた。
だがそれも、勇者には勝てなかった。ヴァルデマルとオリヴァーとでは、レベルの差が開きすぎていたのだった。
ヴァルデマルは、地面に頭を擦り付けて命乞いをした。人々を脅かしてきた魔王が、その程度の謝罪と懇願で許されるはずもない。
しかし彼・オリヴァーは、命乞いをしてきた魔王に対して慈悲を見せた。二度と人を襲わないという約束のもと、殺すことをやめたのだ。
――そんな彼を、神が許すはずもない。
彼は勇者として転生をした。だから魔王を殺さねばならない。それを達成しないことは、神にとっては不愉快であり、不要な存在であった。
だからアリスがここに送り込まれたのである。
そしてこの世界は「トラッシュ」。ゴミを捨てる場所だった。
この世界以外にも世界が存在し、様々な場所で勇者や魔王が生活している。それら全て、神々が管理していた。
神が不要と感じたものは、このトラッシュに送り込まれてくるのだ。
さしずめアリスはゴミ処理係。結局は終始、神の手のひらの上だったということだ。
お詫びとしてやってきた異世界だったが、全て神々のもとで決められた運命だったのだ。
そんな運命を知りつつも、アリスは楽しみながら魔王生活を送っていく。
彼女を追い込むように、隣国では勇者の召喚儀式が行われる。
本来であれば低い確率でしか成功しない儀式だったが、幸運にも彼らはそれを成功させてしまう。
これは異世界から送り込まれたゴミではなく、単純な〝システム〟のミスだった。
召喚されたばかりということもあり、アリスの中では優先度が低かった。
しかし、オリヴァーを殺した今。アリスの興味は、新たな勇者へと向くのである。
◆アリス・ヴェル・トレラント
「やぁやぁ、みんな。進捗はどう? 大丈夫そうかな」
Lv200 H.168 W.55
魔王、種族は混合。この世界に存在し得る全ての魔術を習得している。
ただし本人固有の所持スキルはなく、生み出した幹部のスキルが扱えるだけ。
◆エンプティ
「はぁあ♡アリス様、今日も素敵です……」
Lv200 H.170(+ヒール) W.変化 ※人間態時
スライム。アリスを愛している。
ちなみに雌雄同体。
◆ハインツ・ユルゲン・ウッフェルマン
「はッッッ!! 軍の育成は順調ですッッ!!!」
Lv200 H.188 W.95 ※人間態時
氷系ドラゴンの竜人であり、軍の指揮官。人間に対して特攻を持つ。
めちゃくちゃ声がでかい。うるさい。
◆パラケルスス
「暇すぎて死にそうですぞ。まぁ死んでおりますが」
Lv200 H.171 W.54
ゾンビ。錬金術師、マッドアルケミスト、ヒーラー。
アリスに臭いと言われ、現在はフローラルな香りがする。
◆ルーシー・フェル
「あーしは今日も元気いっぱいでっす!」
Lv200 H.154(+厚底) W.秘密
堕天使。魔術師ギャル。
頭が少し……だいぶ弱い。気さく。
◆ベル・フェゴール
「今日もペットの顔がいい……、あっ、いえ。なんでもありません」
Lv200 H.156 W.50 ※人間態時
上位悪魔であり、蜘蛛。近接・隠密・スピード担当、オタク。
主食は人だが、顔のいい男は愛玩用。
◆エキドナ・ゴーゴン
「あぁ、アリス様だわ……。ご挨拶をしなくては、しなくては……」
Lv200 H.175(+ヒール) W.65 ※人間態時
蛇女。盾役。
己を卑下する美女。控えめな彼女は、人間に愛着が湧いていった。
◆リーレイ
「えへっ、僕ってばぁ、今日も可愛い♡」
Lv200 H.160 W.秘密
機械人形で、男の娘。変装と呪いに長ける。
隣国が勇者召喚に成功したため、神が追加を許可した幹部。出張中。
◆シスター・ユータリス
「みなさま、おはようございます。本日も、神であるアリス様を信仰しましょう」
Lv180 H.159 W.55
悪魔。修道女ではあるものの、拷問や洗脳に長ける。
隣国の勇者召喚時、許可されたのがリーレイだけだったため、駄々をこねた結果生まれた。
◆ディオン・ヒミネ・スライネン
「よう。いい天気だぜ、散歩でもしねぇか?」
Lv170(+30) H.179 W.76
男として育てられたことのある、ダークエルフの第一子女。
恩返しと、アリスに気に入られたことで傘下に入る。アイテムで200レベルになっている。
◆リーベ
「母上、きょうはなにをしてあそんでくれますか?」
Lv.??? H.137 W.33
勇者の恋人の腹の中に居た子供。無理矢理奪い、成長させた。
アリスを母と慕う。スキルの影響で魔力しか食べられない。
*ヴァルデマル・ミハーレク
前代魔王。
*ヨナーシュ・イグレシアス
*フィリベルト・ドラパーク
ヴァルデマルの右腕達。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます