未完成の恋人

saito sekai

ギリギリ人に近づけたかな…



ある時、付き合っていた彼女E子が、忽然と姿を消した。その事に対して、何の感情もない。さみしいとか、探そうとかそんな気にもならない。愛していたと思うのだが…


あれから3ヶ月経った。街で偶然にE子を見かけた。その横には、見知らぬ男。腕を組んで、楽しそうだ。僕の視線に気づいたE子は、彼氏に分からないよう、小さく手を振る。


僕は、何も感じることが出来ない。やけに風が強い日だ。体が飛ばされそうだ。心が空虚だと、体の実在を感じられないのだ。


その様子を二人の人口知能技術者が見ていた。

「あのロボット、かなり人間に近付けたと思うんですよ」「そうですね、しかしながら『愛』は永遠の課題なのかな」

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未完成の恋人 saito sekai @saitosekai

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