第2話 召喚と少女たちと眼鏡3
メガネは処方箋がなくてもお店に行けば作れると聞いたことがある。
今スマホで調べたら作れるって出てきたし行けるでしょう!と財布を握りしめいざ眼鏡屋さんへ。モルドレッドさんは少し不安げにメガネと呼ばれるものを見つめていたが、店員さんがかけているのを見てどうやって使うものか納得したようだった。
「この人の眼鏡を作りたいんですけど……視力検査からお願いできますか?」
「はい、お客様、どうぞこちらへ」
「私もついて行っていいですか!! えっと、お兄ちゃん帰国子女で! 日本の文化にまだ疎いので!!」
「は、はい、かしこまりました……?」
よしよし、店員さんに何とか怪しまれずに眼鏡屋さんに潜入できたね!
多少変な顔をしていたって気にしない気にしない!ごーいんぐまいうぇい!!
「では、差された丸のうち、上下左右で開いている方を――」
「どう?モルドレッドさん、開いているかわかる?」
「ああ、上だ」
「あってますよー、じゃあ次は……」
とどんどん進んでいって、出た数値は左0.4!右0.5!やっぱりちょっと低い!!
どうやら近視と乱視も入っているようで見づらいのはそのせいらしい!
私も詳しくないから眼鏡屋さんの話ちょっとわからない!!
でもでも!眼鏡をかけるとあら不思議!どちらも1.2!眼鏡最高!眼鏡ブラボー!
「世界が初めて鮮明に見えた」
とは検査を終えたモルドレッドさんの談。そりゃあそうだよ!!
きっと元居た世界にはメガネがなかったんだろうなあ……それか目が悪いって自覚がなかったとか?まさかね……。
そしてそしてここからはお楽しみタイム!!予算内でモルドレッドさんに似合う眼鏡を買っちゃうのだよ!!モルドレッドさんは何故かボーっとしているけれど!!
ここはわたくし神代花音の腕の見せ所!いろいろかけさせちゃうぞ!!
と、悩むこと数十分。どうしよう、どれをかけても似合う。黒縁オーバル型、銀縁スクエア、アンダーリム……!どれをかけても似合ってしまうスーパーマン!店員さん!この人スーパーマンです!
「……何をしているんだ、これは?」
「モルドレッドさんに似合う眼鏡選手権だよ!!全部優勝!!」
「全部優勝……」
「モルドレッドさんは何か気に入ったフレームはあった?」
「気に入ったもの……」
と、眼鏡選手権を開いてしまっていたが彼の希望も聞いておかねばなるまい。
聞いておかないと永遠に決まらない気がする。店員さんもちょっと困ってるオーラ出してるし。
「これか……?赤色で、……同じだ」
同じ?髪色とかな? モルドレッドさんの自主性を育てるためにこれにしてあげよう!赤色のアンダーリムフレームの眼鏡!とても似合っているし。うん、決定!
「これに決めました! 何分くらいでできますか!?」
「お会計後30分くらいですね」
「早い!素敵! あ、レンズの薄さはできる限り薄いやつで!」
「わかりました。ブルーライトカットやコーティングは……」
「いらないです!」
こういうのは不要ならきっぱり断らないと。……高いし。
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