波乱の後半戦、そしてカウントダウン

 さて最高のライブパートを終えたが、このパートを終えた段階ですでに22時前になっていた。本来の予定では21時にライブが終わり、21時30分から"HISTORY OF IA"というこれまでのIAの活躍を振り返る上映会が行われるはずだった。しかし時刻はすでに22時になろうとしている。会場のアナウンスでは22時30分まで休憩とのことだが…

 とりあえず一度ライブエリアを抜け、トイレ休憩や水分補給を済ませたのち、会場内を少しぶらついてみた。ホール中央の階段では内田慎之介氏によるライブペインティングが行われ続けており、会場に来たばかりのときと比較してかなり制作が進んでいる。年越しまでに終わるのだろうかと思った。もし終わらなかったらどうなるのだろう。もしそうなったら、1st PLACEに怒られるのだろうかと考えながら写真を撮らせていただいた。

 また、会場内にはこれまでのIAの活躍を振り返る年表やアルバムのイラストが展示されていた。せっかく時間ができたのでゆっくり眺めることができた。ライブがメインのイベントながら、展示も充実しており満足である。

 一通り展示を見終えたところで休憩時間が終わりそうになったので座席に戻ったところ、丁度「週刊ARIAersTV」の特別編が放映されていた。これは、YouTubeにて配信されていたARIAの情報ライブ配信である。今回はライブ直後だったこともあり、ライブを終えた直後のIAとONEが出演し、ライブの感想をレポートしてくれた。「最高の最高…、さいさいこー?」という名言も飛び出てきた。元々持っていたイメージより、IAは天然で可愛らしい感じのキャラなんだなと感じた。

 ここまでは概ね順調かつ楽しく時間が過ぎていったが、ここで驚きのアナウンスが入る。

 「23時まで休憩とさせていただきます。」

 おぉ???そんなことある?いや、あるのだ。まさかの二度目の休憩。しかも予定されていた上映会はキャンセルとなった。予想外の予定変更に会場でも笑いと驚きの声があがった。リアルで開催されたイベントだからこその面白さだと私は感じているが、上映会を楽しみにしていた人からすればたまったもんではないだろう。しかしながら無くなってしまったものは仕方がない。そんなわけで23時まで二度目の休憩タイムを過ごすことになった。

 23時からはATOLSによるDJイベントが始まった。ちなみにこれも当初の予定から30分遅れかつ30分短縮というイレギュラーっぷりが発揮されている。IA楽曲で構成されたDJパフォーマンスは会場を大いに沸かせ、スケジュールの混乱など頭から消え去っていた。個人的には、最後の一曲にじんの『アメリカ』を流してくれたのが非常に嬉しかった。熱気溢れる真夏を思わせる一曲であり、また映画のエンディングを思わせるちょっとしたノスタルジーを持つ一曲で、DJのラストを飾るにふさわしいと感じた。

 23時30分からは、事務員G、Lia、ナノの3人がステージに上がりカウントダウンイベントが行われた。Liaが『クラウドライダー』、ナノが『Higher』を熱唱し、2022年の終盤まで会場を盛り上げた。また、3人によるMCも挟まれ、ちょっとほのぼのした雰囲気を味わうことができた。

 もうすぐで年越しというタイミングで、今回の主役であるIAとONE、HIPPIがステージに登壇。隣に立って背を比べたLiaさん曰く「(IAは)私よりちょっと小さい?」とのこと。先にステージに上がっていた3人とかみ合ってないようでかみ合っている会話をしつつ、最後のコメントを話してくれた。

 2023年まであと20秒のところで、事務員Gの話を遮るような形でIAがカウントダウンを始める。もたもたしてると年越しちゃうからね。観客もペンライトを振って共にカウントダウンに参加し、全員一緒に2023年を迎えることができた。

 イベントの最後には、2023年最初の一曲として『Inner Arts』を演奏した。新年を祝福するに最もふさわしい楽曲であり、この曲から2023年を迎えることができた私はどう見ても勝ち組である(傲慢)。「また今日から 始まっていく」という歌詞が、2023年も、これからも進化を続けていくIAを象徴していると感じさせてくれた。「未完成の明日へ」向けて歩んでいくIAを、これからも追いかけていきたい。


 というわけで、予期せぬ予定変更などはあったものの、大満足のカウントダウンライブに参加することができて最高、いや「さいさいこー!」な気持ちでイベントを終えることができた。これまでIAのライブに行ったことはなく、正直「自分でも楽しめるだろうか…」と不安を抱えつつ参加したが、そんな自分でも凄く楽しむことができたライブであった。今後もIAのライブが開催されるようなら、積極的に参加したいと思う。

 そんな感じにテンションの上がっている私は、ピンクに光らせたペンライトを振り回しながらJR有楽町駅の改札内に消えていった。深夜営業している路線は少ないらしいがちゃんと帰れるだろうか。

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