IA10th LIVEに行ってきたよレポ

なのさP

ライブパート編

 2022年12月31日、2022年も最後を迎えようとしている日に、私は有楽町のヒューリックホール東京に向かっていた。「IA 10周年記念ライブ『PARRY A GO-GO & COUNTDOWN』KI*SE*KI -軌跡と奇跡-」に参加するためだ。

 2012年に誕生したIAは2022年に10周年を迎えた。それを記念するライブとして開催されたのが今回のライブである。また、合成音声キャラクターのライブとしては珍しいカウントダウンライブでもある。少なくとも私の知る限り、これ以外にカウントダウンライブを開催した合成音声キャラクターはいないはずである。他の前例をご存じの方がいたらこっそり教えてほしい。

 私にとってこのライブは、初めてのカウントダウンライブであり、また初めて初音ミク系統以外のライブでもある。今まで参加したことのない1st PLACEのイベントだが、どんな様子なのかワクワクしながら会場に向かった。

 会場は先にも述べた通り有楽町のヒューリックホール東京である。そこまで大きくはないものの、綺麗なライブハウスであり、大勢のファンが訪れた。私が到着した段階ですでに物販待機列が形成されており、さっそく私も列に並んだ。IAライブの経験がないため、私はここでペンライト等を購入した。本当はリストバンドも欲しかったが、私が購入しようとした時点ですでに売り切れていた。かなしい。

 物販を終え、2022年最後の晩餐を求めて一度会場を離脱。腹ごしらえを済ませた上で再度会場に向かい、いよいよ座席についた。1番グレードの低いはずのA席だったがステージが思っていたより近く、これはなんだかドキドキしてきたぞと言わんばかりにテンションが高まった。

 ここからはライブの内容について楽曲別に語っていきたい。従ってセトリのネタバレを大きく含むことになるので、もし見たくないという方がおられたら今のうちにブラウザバックすることを推奨する。






1曲目『傍観の罪科』

 ライブの一曲目として演奏されたのは、*Luna氏の『傍観の罪科』であった。元々冒険の始まりのような壮大なサウンドが響く楽曲であったが、ライブでの演奏はその壮大さを何十億倍も引き上げており、心にビリビリと響くパワーがあった。さらにIAの美声が響きわたるこのホールはもはやオーケストラ会場かと感じた。1曲目から圧巻のパフォーマンスを堪能することができてただただ感謝感謝である。


3曲目『ノウナイディスコ』

 r-906氏によるCeVIO AIによるIAのデモソングとして制作されたテクノポップが序盤から演奏された。正直に言ってめちゃめちゃアガった。r-906氏の楽曲は『パノプティコン』や『まにまに』など、聴いていて心地が良く、またテンションの盛り上がる楽曲が多いが、生演奏で聴く『ノウナイディスコ』は凄まじくヤバかった。本当にディスコにいるかのような感覚を味わい、もう完全に踊らされている状態であった。フロアが沸き上がりました状態である。

 今回のライブの特徴の1つに、キャラクターを投影するスクリーンがステージ全体に展開されている点が挙げられる。こうすることでステージ全体にエフェクトをかけたような演出が可能になるのだが、この『ノウナイディスコ』ではステージ上部にネオンサインのような演出を施すなど、スクリーンを活用した演出が用いられて、視覚的にもディスコ感が高まっていたことが印象に残っている。


6曲目『セツナドライブ』

 6曲目には9mm Parabellum Bulletの滝善充氏が作曲した『セツナドライブ』が演奏された。圧巻のギターサウンドで構成される疾走感のあるロックチューンだが、生バンドで聴くとやはり凄い。あのギターソロを生で聴くことができて最高である。特に曲の終盤にはギターの早弾きパートがあるのだが、これを直接浴びることができるなんて幸せ中の幸せである。

 ちなみにこの『セツナドライブ』は、モータースポーツカテゴリー「SUPER GT」とIAのタイアップ企画によって書き下ろされた楽曲の1つである。SUPER GTもボカロも好きな私のような人間にとって、このタイアップ企画の楽曲を直接聴くことは人生の極みのような瞬間であった。MCでIAがSUPER GTについて触れてくれたのもGTファンとして嬉しい限りである。


7曲目『My Soul, Your Beats!』

 7曲目はゲストのLiaがステージに上がり、アニメ『Angel Beats!』のオープニング曲でもある『My Soul, Your Beats!』を熱唱した。『Angel Beats!』の大ファンである私にとってはサプライズな選曲となった。まさかこんな形でこのアニメの曲のパフォーマンスを聴くことになるなんて…

 曲の途中からはIAもステージに上がりLiaと共に会場を盛り上げる。ボーカロイドとその声の主が共に歌う貴重な時間となった。2人の美しい歌声がホールに響き渡り、これが天国か…と思いながら聴いていた。


10曲目『ピニャコラーダ』

 10曲目にはねじ式の『ピニャコラーダ』が演奏された。この楽曲ではゲストとして結月ゆかりがIAと共にステージに上がった。本来は発売元の異なるバーチャルシンガーであるため、同じステージに立つのは困難であるが、IA10周年を祝うために特別に駆けつけた。

 ゲスト出演することは把握していたが、まさか百合曲として知られる『ピニャコラーダ』を歌うとは予想してなく「!?!?!?!?!?!??!?!?」という感情だった。ロックチューンながら煽情的なムードのある楽曲はライブでも非常に輝く一曲であり、ホールを濃厚な「ゆかいあ」で染め上げた。


14曲目『夜咄ディセイブ』

 14曲目には、じん(自然の敵P)の「カゲロウプロジェクト」から『夜咄ディセイブ』が演奏された。ここでは、かつてのIAライブ「PARTY A GO-GO」でパフォーマンスをしてくれたキッズダンサーが再びステージに上がる粋な演出が組み込まれた。当時キッズだった彼らはもう立派に成長しており、圧巻のパフォーマンスを発揮する「ダンサー」として活躍をしてくれた。

 また、ライブでの『夜咄ディセイブ』は作曲家やDJとしても知られるTeddyLoidによってリミックスされたバージョンが演奏され、原曲よりもストリート感あふれる仕上がりになっていた。こんなアレンジされたらテンションアガるに決まってるじゃないですか。


15曲目『てるみい』

 続いて演奏されたのは石風呂氏の『てるみい』であった。IAとONEが共に歌う優しさとノスタルジック溢れるロックチューンであり、会場を盛り上げた。声出しが解禁されていなかったものの、ペンライトを用いてコール&レスポンスをさせてもらい、IAとONEの2人と一緒に楽曲を楽しむことができた。また、この曲は2人の振り付けも可愛らしく、それが緩い楽曲の雰囲気にぴったりで素敵なのである。一生見ていたい一曲である。


16曲目『ヘッドフォンアクター』

 さてここから怒涛のメドレーパートが始まった。一番までで曲を終える代わりにノンストップで歌い続けることで大量殺戮を進めていくパートであるが、そのトップバッターを務めたのが「カゲロウプロジェクト」から『ヘッドフォンアクター』であった。カゲプロ楽曲名物のギターサウンドはライブでも健在。会場を最高に盛り上げてくれた。


17曲目『現実的論理主義者』

 メドレーパート2曲目にはゴボウメンの『現実的論理主義者』が演奏された。2015年に開催された「ニコニコ超パーティー2015」でIAが歌った楽曲としても知られている。当時のステージを思い出したファンも多かったのではないだろうか。まさかの超パーティーからの選曲が飛んでくるとは思わず、イントロが流れ出したタイミングで「おいマジかよ」と声に出しましたごめんなさい。

 もちろんクールなサウンドはライブ会場でも健在で、会場を大いに沸かせた。


23曲目『六兆年と一夜物語』

 メドレーパート8曲目にはkemu氏のヒットナンバー『六兆年と一夜物語』が歌われた。すでにメドレーの中で、じんの『LIVEDRIVE』や『ロスタイムメモリー』や石風呂の『少年は教室がきらいだったのだ』などを演奏されているという極限状態に満を持して『六兆年』が演奏されたのだ。はっきり言ってオーバーキルである。

 和風モチーフとハイテンポな楽曲が盛り上がらないはずもなく、会場は熱気で満ち溢れた。前の座席にいたお兄さんなんかもう半狂乱の様相である。私も、この楽曲はボカロを知り始めた初期の頃に出会った思い入れのある一曲であり、このような形で演奏を聴くことができて感無量であった。


24曲目『DAYBREAK FRONTLINE』

25曲目『キミノヨゾラ哨戒班』

 怒涛のメドレーパートのあとには、ついにゲストのOrangestar氏がステージに上がった。『DAYBREAK FRONTLINE』のイントロが流れ出した瞬間、会場はざわめき、隣のお兄さんは「夏が帰ってきた…」と呟いていた。オレンジに移り変わっていくペンライト、熱唱するIA、ギター演奏するOrangestar氏、このライブの中でも特に印象に残っている情景である。ライブで聴く『DAYBREAK』は、私のテンションを最高潮に押し上げてくれた。

 続く25曲目は『アスノヨゾラ哨戒班』のバンドアレンジ版『キミノヨゾラ哨戒班』が演奏された。この曲は、OrangestarとIAの曲の中でもダントツに好きな楽曲の1つであるが、それと同時にゲーム「バンドリ!ガールズバンドパーティー!」に収録されていた楽曲としても個人的な思い入れがある。高校生の頃によくプレイした楽曲の1つであり、カラオケに行けば友人とよく歌っていた一曲である。いわば私の青春なのだ。そんな一曲をライブで、しかも本人の演奏で聴けるなんて当時の自分は夢にも思わなかっただろう。この一曲を聴けたこの瞬間を、私は一生忘れないだろう。


27曲目『オツキミリサイタル』

 アンコール前最後の一曲として、じんの『オツキミリサイタル』が演奏された。ステージで華やかな衣装を着て歌い踊るIAはまるでアイドルのように可愛らしく、また美しかった。ペンライトを振るこちらももうノリノリである。私なんかたぶん満面の笑みで狂っていたと思われる。

 ニコニコ動画版における投稿者コメントの「信じ続ける未来の話」の通り、これからの未来を思わせる一曲であり、最後の曲として締めくくるには相応しい一曲であった。完全に劇場版アニメのエンディングのムーブである。


アンコール

 アンコールでは、IAの新たな形である「IA GLOWB」としてのパフォーマンスを披露。デビュー曲ともいえる『REZONA』と新曲『INTERGALACTIA』を圧巻のパフォーマンスで披露し、進化し続けるIAの姿を体現してくれた。IA GLOWBとしてステージはこれが初であり、これまでのバーチャルシンガーにはなかった新たな風を巻き起こしてくれる予感があった。

 そしてアンコール最後の一曲として『Diamond Days』を熱唱。天使のような衣装を身にまとったIAが、これまでの10年間に感謝するように優しく歌い上げた。IAの歩んできた10年間が、まるでダイアモンドのように輝いていると感じさせる時間であった。


 以上、30曲もの楽曲でライブパートは構成された。IAの10年間を祝うにふさわしいライブであり、またそれは、私にとって、誰かにとっての青春が詰まっていたライブであったと感じる。まだまだイベントは終わっていないが、この時点ですでに大満足を感じていた。


以下、当日のセットリスト(ライブ会場の掲示を基に記述)

1.『傍観の罪科』

2.『スーパーヒーロー』

3.『ノウナイディスコ』

4.『SEE THE LIGHTS』

5.『Shooting Star』

6.『セツナドライブ』

7.『My Soul,Your Beats!』

8.『Phantom』

9.『カグラ&キメラ』

10.『ピニャコラーダ』

11.『Conqueror』

12.『DIAMANTE』

13.『Love Letter』

14.『夜咄ディセイブ』

15.『てるみい』

16.『ヘッドフォンアクター』

17.『現実的論理主義者』

18.『LIVEDRIVE』

19.『ロスタイムメモリー』

20.『東京リアルワールド』

21.『One Two Hello』

22.『少年は教室が嫌いだったのだ』

23.『六兆年と一夜物語』

24.『DAYBREAK FLONTLINE』

25.『キミノヨゾラ哨戒班』

26.『僕らに喜劇を見せてくれ』

27.『オツキミリサイタル』

~アンコール~

28.『REZONA』

29.『INTERGALACTIA』

30.『Diamond Days』


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