「野木。隊長命令だ。今すぐギルドに状況を伝えに戻れ。こいつの相手は私がする。」

「了解しました。隊長、くれぐれも気を付けてください。」

野木の姿が見えなくなるまで待ってから、零は攻撃を繰り出す。

「では行かせて貰う。獄炎砂嵐！！(ヘルストーム)！」

掛け声と共にミラの前に激しい砂嵐が現れる。しかし、それに何の抵抗もなくミラは自ら砂嵐の中に入っていった。そして彼女荒れ狂う砂嵐の中で魔法を唱えるのであった。

「黒炎弾！！」

それを唱えたかと思うと、赤黒く悍ましい炎が砂嵐をあっというまに消し飛ばした。その勢いと爆風で思わず顔を覆った零が再度前を向いた時には、ミラの姿はなかった。

「逃げられたか……。」

少し残念そうな様子で零はそう言い捨ててどこかへ消えていった。

俺そっくりの零との戦闘後、冒険者ギルドに戻った調査員達は、各々の目的のために訓練へと向かっていった。そして、時を同じくしてギルドにいた吉孝はとんでもないものを見つけたのだった。

「これは一体…何が起きてるんだ！？なんで俺が指名手配されているんだぁ！？」

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