第17話 エロゲ?で繋がる絆

結論から言って.....もう凛子は限界だったと思う。

感情もグチャグチャだったろうに。

心の底から可哀想としか言いようがない。

俺は眉を顰めながらそのまま凛子と凛花と一緒にその日は早退して帰った。

それから俺は自宅にそのまま帰ったのだが。


少しして凛子が、俺の家に来たい、と言った。

そして俺は凛子を家に招く。

それからリビングに招くと凛子は落ち込む様な姿を見せる。

俺に寂しげな感じで.....。


「.....私はどうしようもないんだよね。多分。頭が良すぎるから人の心も読めない」


「.....そんな事はない。.....そもそも.....全て杉原のせいだからな」


「私は心が.....滅茶苦茶。もう何も信じられない」


それから複雑な顔をしながら落ち込む凛子。

俺はその姿を見ながら同じ様に複雑な顔をする。

そして凛子を見た。

凛子は唇を噛みながら、はぁ、と溜息を吐く。


「優樹菜。気晴らしにエロゲしたい」


「.....お前本当にエロゲ好きだな」


「私は気晴らしじゃなくて本当に.....エロゲに救われたから」


「そうか。.....まあそう言うならエロゲも価値があるもんだな」


「.....うん」


そしてエロゲ.....を取り出す。

もう何の躊躇いも無い。

俺は苦笑いを浮かべながらそのパッケージを見ながら。

そのままノートパソコンを持ってくる。


それからエロゲをした。

そのエロゲだが。

主人公を好きなヒロインが同じ目に遭っているエロゲだった。

俺は複雑な思いを抱きながら凛子を見る。

凛子は涙を浮かべながらエロゲをしていた。


「.....なあ。凛子」


「.....何。優樹菜」


「何で俺を好きになったんだ?何がきっかけだったんだ?」


「私が貴方を好きになった理由。.....それは単純。貴方がとても格好良い、性格が.....とても良い」


「お前.....」


「私は.....だから貴方が大好き」


俺を赤くなりながら見上げてくる凛子。

それから俺をジッと見据える。

俺はその姿を見ながらボッと赤面しながら俯く。

そうしているとやっぱり例のシーンになった。


「.....このシーンはその。また格別にエロい」


「.....そうだな.....まあその。エロいな」


「が、学校でおっ始めてしまうんだ.....」


真っ赤になりながら食い入る様にエロゲを見る凛子。

目が飛び出そうなぐらいに。

そんな食い入る事かこれ。

そう思いながらそのシーンに赤面した。


「.....私は処女だから.....こういうのインパクトがある」


「そうか.....」


「.....これって本当に気持ち良いの」


「.....いや知らん。そこだけは知らない」


「.....そっか。.....じゃあ貴方も童貞だ」


「そうだな。まあ.....」


人間は不思議。

こういう事をしないといけないのが。

運命、と言いながら俺を見てくる。

まあそうだな、と俺は答えながら.....そのまま凛子の頭を撫でた。


「.....大丈夫か」


「.....うん。.....大丈夫。私は」


「楽しんでいるか」


「.....楽しんでる」


それから俺をまた見据えた。

そして笑みを浮かべる。

ようやっと笑みを浮かべてくれたな凛子.....。

俺はその姿を見ながら柔和になる。


「.....凛子。.....絶対に何かあったら言え。俺に」


「.....それは.....」


「俺は恋をしている訳じゃない。.....だからその点は申し訳ないんだが.....その点は違うがお前の事。大好きだ」


「.....優樹菜.....」


俺を見ながら涙を浮かべてそして泣き始めた。

目の前のエロゲはえっちな画像で。

まああり得ない状態だ。


だけど.....泣いてくれるんだな、って思う。

それから俺は凛子に寄り添った。

そして凛子の頭を思いっきりに撫でながら、明るくいこう、と笑顔になる。


「.....うん。そうだね。優樹菜」


「笑っていこう。.....お前の事.....心配だけど.....最後はきっと笑えるさ」


「有難う。優樹菜.....そう言ってくれて嬉しい」


そして凛子はニコッという感じの柔和な顔を見せる。

するとエロゲのヒロインが主人公の頬に最後にキスをした。

それを見た凛子は赤くなりながら.....いきなり。

俺の頬にキスをしてきた。


「おおぅ!!!!?」


「えへへ。お礼」


「.....お前な.....不意打ちはずるいって自ら言っているのに.....」


私の場合は良いの、と言いながら笑顔になる凛子。

それから胸を張った。

俺はその姿を見ながら頬を摩りながら盛大に溜息を吐く。

そしてパソコンを見てから立ち上がる。


「な、何か飲むか」


「あ。逃げた」


「逃げたんじゃ無いって。.....ただ単に恥ずかしい」


「.....それを逃げって言う」


「.....もう良いから.....取り敢えず麦茶で良いよな!?」


そして俺は台所に向かった。

それから飲み物を入れて戻って来る。

すると凛子がコップを受け取ってから、親が納得するかな、と言った。

ああ今日の事か。


「納得するよ。おばさんとおじさんならな」


「.....そう.....でも不安」


「.....大丈夫。.....俺の親父とは桁が違うから」


「.....そう。確かにね」


それから俺を見てくる凛子。

そして何を思ったかこんな事を言ってきた。

私は貴方を幸せにしたい。.....おじさんに愛されなかった分。私が貴方を幸せにしたい、と。


「お前もうマジの本気のガチで躊躇いも無くなったな」


「そう。ガンガン行くここから先は。.....私は優樹菜を想って10年も経った。お姉ちゃんに負けない。絶対に負けられない」


「そうかい。それは.....また困ったもんだな」


「そう。.....でも笑ってられるのも今のうち。.....私はえっちな事も考えている」


「いやオイ。それは止めろ。こんなの俺達にはまだ早い」


「そう」


いやいや、そう、って返事をされてもな。

それがどっちの天秤に掛けた意見にもよるかなんだが。

俺は冷や汗をかきながら返事をした。

コイツなら本気でやりかねん、と思いつつ。

取り敢えず。


「.....凛子。冗談で言っているよな?」


「.....まあ半分は」


「いやいや半分かよ」


「そう」


全くコイツは.....恐ろしいな。

俺は苦笑いに苦笑いを浮かべながら凛子を見る。

凛子は微笑みを浮かべていた。


そしてお茶を飲んでからお茶菓子をパクリと食べる。

それから==の目をして和んだ。

良い感じだな、と思う。

心から.....良かったと。

そう思えた。

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