イブとゼニィーの異世界紀行

ヴィズ

プロローグ

小麦の町の冒険

EP1 1日の始まり

(1/7) ~プロローグ 小麦の町~






ここは、広大な宇宙のどこかにある大きな惑星です。



この惑星には、ありとあらゆる環境の大陸が存在し、そこには人類を始めとする多種多様の生命体が息衝いています。その時に、過酷ともいえる環境の中には、魔法を使う獣 “魔獣” と呼ばれる獣が、数多存在し、人類は古来からその脅威に晒されていました。人類はその凶悪な魔獣達から人類を守る為、人類もまた魔法を使い対抗し、その存亡を懸けた闘いを幾度となく、繰り広げてきました。




そして、今日もまた新たなる魔獣との闘いが、この大国の小さな町でも、繰り広げられていた。








   『イブとゼニィーの異世界紀行』










「…」








「…」







「…」







私は、白く眩しい光の中にいた。


そして、光の奥の方で誰かの声がする。


どこか、懐かしさを覚える声だ。








「…」 






「…」






「…」






私がいつも毎日聞いている、ごくありふれた日常の声。


だけど、それをもうずっと聞いていなかった様な…

そんな感じがした。





…どうやら私を呼んでいる様だ。

この声の主は一体誰なんだろう。

私は、耳を澄ませて聞いていた。






「…」





「…ブ」





「イ…」






「イブ…」



「「ちょっと、イブ!!」」

「「いい加減に起きなさーい!!」」



「うぉ!!」

「とっとっと…ギャっ!!」


「「ドシイイイイイイ―ンっ!!」」



「痛ててて…」


私は、驚いて起きた拍子に寝ていたベッドから、ずり落ちていた。元々、寝相が悪くベッドの端っこの方で寝ていた事が、原因かも知れないけど。




「ちょっとイブ、何やっているのよ」

「早くしないと間に合わないわよ」



そう言って、私がベッドから落ちたのを見ても心配する素振り何もなく、むしろ “何やっているの…この人” と呆れた表情で、私の事を見ている1人の女性がいました。




部屋の窓からは、白くて眩しい朝陽が燦々と私の寝ていたベッドに降り注がれていた。






「ハァ…もう朝か」


「おはよう、ルイア」


私はゆっくりとその場から立ち上がると、部屋の窓の方に向かい、勢い良く窓を開けるのであった。






「「バアアアアアアアアア―ン!!」」









-ここは、パーシャという町である。



ちょうど大陸の丘陵地帯にあり、見渡せばどこまでも広がる大草原の中にある町です。この町は、そんな丘陵地の小高い丘の傾斜に立地しており、丘の上の方にある騎士団宿舎2階の私達の部屋からは、町の景色を一望出来るのです。


因みに、この町の特産物は小麦です。町の周辺には、多くの小麦畑があります。ここの小麦で焼いたパンはとても美味であり、この国では知らない人は、いないくらいパンが旨い町として有名なのです。




そして町には、いつも焼きたての美味しいパンの匂いが漂っています。



今日もまた…




窓を開ければ、草原を駆け抜けてきたであろう、ほんのりと冷たい風と一緒に、そんな香り良い、ほのかなパンの匂いが運ばれてきます。




「ヒュウウウウウウウウウウウウウウウ―!!」



暑くもなく、寒くもなく、とても爽やかな朝です。



私は風を受けながら、大きく伸びをしていました。





「ん~、今日も良い天気ね」



「快晴ね…」





「…」(私)


何か後ろから嫌な視線を感じる。



「イブ…貴方、本当に間に合わないわよ」

「早く支度をしなさい」



「はーい」(すいません…)


私は、ルイアの視線と表情にヤバいと感じながら、早々と騎士の支度を整えるのであった。









         ◯









支度を終えた私は、ルイアと一緒に部屋を出て、朝食を食べる為に食堂に向かっていた。私は今朝…見た夢の事を思い出していました。そして、私は廊下を歩きながらルイアに言った。




「そうそう、ルイア…」


「夢の中で、貴方の声が聞こえたわ!!」

「何か、不思議な感覚だったわね…」



「はぁ…?」

「それって、私が必死で起こしていた声が聞こえただけじゃないの?」


「あ~、なるほど!!」


「イブ…貴方、全然起きないから」

「起こす、こっちの身にもなってよね!!」


ルイアは、ため息を吐きながら言う。



「すいません…」



「…」(私)



ん~、それでも…


今日見た夢は、変な夢だったわね。

何だか、とても長い夢を見ている様な感じがした。それに、まだ頭がボーとしているわ。





(ボー…)




まぁ…所詮は、夢の話よね!!

今日も色々と任務があるし、夢の事は忘れて日常に戻りましょう。




―私の名前は、イブです。



年齢は20才で性別は女性であり、この王国のパーシャの町の騎士団に所属する入団2年目の騎士です。身長は155㎝…まぁ、実際は155㎝に届いてないんですが(本当は152~153㎝くらい)、少し鯖を読んで皆には、そう伝えています。体格は華奢な身体つきをしており、その身長と相まってか、しばしば子供と間違われる事もあり、困っています。


しかし、その容姿とは裏腹にその実力は折り紙つきであり、あの10人に1人しか受からないとされる難関の騎士団(皆の憧れの職業)の試験に一発で受かるなど、今をときめく才能溢れるナイスガールなのです!!



そして、私は “魔獣使役の魔法” の使い手であり、ここの騎士団では魔獣調教師としての役割を担っています。騎士には、それぞれの魔法の特性を活かした役割というものがあるのです。魔獣調教師とは、魔獣使役の魔法を使用して色々な親和獣(害獣では無い、心穏やかな魔獣)を手懐けて、敵と闘う事が出来るのです!!




「…」(私)



まぁ、私はまだ半人前でそんな大層な事は出来ないけどね。

でも、いつかは…あらゆる魔獣を手懐けて、共に闘いながらこの国を守っていく事が、私の思い描いた騎士としての姿であった。そう、いつか必ずね!!






「…」(ルイア)




「イブ…どうしたの、急に自己紹介なんかして?」

「今日の貴方、なんか変よ…」


「ごめん、ごめん!!」

「なんか寝ぼけていたみたいだから目を覚ます為に、ちょっと自己紹介してみた」



呆れていた表情から本気で心配そうな顔になり、私を見ている女性が1人いました。





―彼女の名前は、ルイアです。


銀色のキラキラした髪を後ろで結び、黒色のカチューシャをしている女性であり、私の幼なじみです。まぁ…幼なじみといっても、彼女とはある境遇の下で、幼い頃から同じ場所に暮らしており、血は繋がっていないけど、本当の姉妹の様な存在なのです。


それは…

ルイアにとっても同じであり、互いにとって只一人のかけがえのない家族なのです。



彼女もまた、私と同じで難関の騎士試験に一発で受かった、若く才能溢れるクールガールなのです。彼女は “火の魔法” の使い手であり、ここの騎士団では砲撃手としての役割を担っています。




(因みですが…)



どちらが姉か妹かというと、同い年なので明確な線引きは無く、そのポジションはコロコロと変わるのです。どちらかというと、しっかり者のルイアの方が姉である事が多いですね。部屋も2人で同室なのですが、いつも寝坊しそうになる私を起こしてくれる目覚まし役でもあるのです。


これはルイアがしっかり者である、ほんの一例であり、マイペースな私をいつも面倒を見てくれているのです。





なんか、いつも有難うね!!






…と、これは私の心の中で呟くのでした。


私は眠気を覚ましながら歩いていると、その内に食堂に着いていた。











(2/7) ~忘れていた~











―廊下の先の扉を開けると、そこには大きな広間があった。



ここは、騎士団の人達が使う食堂です。その名の通り騎士達が食事をする場所であり、大きな広間には多くのテーブルや椅子が置かれています。



そして…



内装にも凝っており、壁に施された可愛らしい天使達の彫刻や、煌びやかな装飾が魅力的なシャンデリアなど、それはどこか荒々しい騎士のイメージとは、まるで違い…どこか、高級なレストランを感じさせる様な造りであった。






「ファアアアア~ア…」



(何か、まだ夢の中にいる様な不思議な気分ですね…)




天使に囲まれた私は、そう思う。アクビをしながら、眠そうに。ボーっとして眺めていると、また夢の中に戻されてしまいそうな気がしますね。


因みに、朝食はいつもバイキング方式です。





「あら~、私達が一番最初なのかしら…?」

「まだ他の騎士達は、食堂に来ていないわね」


「私達が一番乗りじゃないの!!」


私は、ガランとした食堂を見てそう言った。





「…」(ルイア)



「私達が一番最後なのよ…」


冷静に客観的に物事を見て言うルイアであった。

いや、私が能天気すぎるのか…


私達はすぐにお皿に各々の朝食をのせて、席に着いて食べ始める。ルイアが選んだのは、食パンとジャムとホットミルクだけであり、それを黙々と食べている。






        ~5分後~






ルイアは、もう食べ終わっていた様です。



「…」(ルイア)



「あの、イブ…」

「貴方、まだ3分の1しか食べてないじゃないの…」

「…と言うか、朝から良くそんなに食べられるわね」


ルイアは、呆れた感じで言う。



「…」(私)



ルイアが食パンを食べ終わったのに対して、私はまだ食パンを3分の1しか食べていなかった。その他のおかず諸々も…そして、選び取った量も私はルイアの3倍多かった。もし私とルイアが逆だったら多分ちょうど同じ時間に食べ終わっていたのかしら。





「これ、食べる?」


私は食パンをモグモグと噛みしめながら、残りのおかずをルイアに勧める。



「「いるかっ!!」」


ルイアは、軽く怒っていた。




「んっ、そう言えば…」


突然だか私は、ふと思い出した。


「どうしたの…?」 


ルイアは、怪訝そうな表情で言う。





(((今日、馬小屋の朝の餌やり当番だったのだ!!)))


「「ヤバい、餌やり忘れてた!!」」


呑気に、朝食なんて食べている場合じゃなかったのだ―




「ハァ…」

「私、もう先に行っているわよ…」


ルイアは改めて、ため息をつくと呆れた表情で食堂から出て行ってしまった。


…流石に手伝ってと言える空気では無かったので、私は急いで残りの朝食を口に詰めて、さながらリスの様に頬っぺたをパンパンに膨らませて、私の担当する馬小屋に向かうのであった。









        ○








―私は、先程の自己紹介で言った様に、この騎士団では魔獣調教士の役割を担っています。魔獣調教士というのは、なんか立派な響きなんですが、今…実際やっているのは馬小屋のお馬さんのお世話なのです。その名の通り騎士団でありますから、騎士達は馬に乗って闘います。その馬のお世話を主に私達、魔獣調教士が行っているのです。



騎士が乗る馬…



いわば騎士の足でもありますから、それは騎士団の中でも重要な役割の1つと言えるでしょう。





「…」(私)






えっ…『馬は魔獣じゃ、無いよ』ですか!?

そこは、問題ありません。馬は獣ですから…

魔獣という文字には、獣も入っているから大丈夫なのです!!



…と私は頭の中で、頷き納得していた(納得させていた)




「ハァハァハァハァハァハァ…」


さて…馬小屋に着いた私は、早速餌やりを始めようとします。いつもなら、私は魔獣使役の魔法 “魔獣の気持ち” を使い、お馬さんと意志疎通をしながら餌やりをするのです。例えば…「今日の調子は、どう?」や「どこか調子が悪い所は無い?」などと語り掛けながら。



…実際、お馬さんと会話を出来る訳ではないのですが、魔法の力により、お馬さんの大体の気持ちが私には読み取る事が出来るのです。しかしながら、今日の私には、そこまでする余裕は時間的にありませんでした。



しかし、餌やり場を見ると―



「あれっ…」



もう餌が置いてあり、黙々とお馬さん達は餌を食べていたのです。





「…」(私)



(誰かが、先に餌をあげてくれたのか…)


有難い事ですが、これはこれで後で怖いパターンですね。

お馬さん達は餌を食べながら、私に『お前、おせぇーよ』と言っている気がした。魔法は、使って無いはずですが…



(一体、誰がお馬さんに餌をあげてくれたのだろう…?)


別の馬小屋の担当騎士が気を利かせて、私の所もやってくれたのであろうか。とりあえず…後で確認して、お礼を言わなければ。流石にお馬さん達に聞ける空気では無かったので…というか、そこまでハッキリした事までは読み取る事が出来ません。私は、首を傾げながら考えていると…



「「ああああ、ヤバい!!」」

「「急げええええ!!」」


時計を見ると、招集時間まで残り3分を切っていた!!

私は、天井にぶつかりそうな勢いで跳び上がる。

とりあえず、誰が餌をあげたのか考えるのは後にして、私は全速力で招集場所に向かうのであった。









…とまぁ、こんな感じで今日も忙しない1日が始まっていくのです。











(3/7) ~いざ、魔獣討伐へ~











朝日はもうそれなりに高く昇り、私達の騎士団の建物を容赦無く、照していた。



「ハァハァハァハァ…」



私は走って、騎士団の敷地内にある広場に向かっていた。




「ワイワイワイワイ…」


「ガヤガヤガヤガヤ…」



広場に着くと、すでに騎士達が各々の訓練をしていたり、これから任務なんでしょうか、その行く為の準備をしている所であった。





そんな朝の喧騒の中で―



私の事を待っていたルイアを含む4人の騎士達がいました。






「「皆さん、お待たせしましたー!!」」






「おせぇーよ、イブ」(バルモ)


「時間に間に合っただけ良いんじゃないかしら」(サニー)


「ハァ…」(ため息を吐くルイア)



招集時間ギリギリに来た私を『またか…』みたいな感じで見て、彼らはそう言いました。そして…




「やっと、来たか…」


私を一番待ちくたびれた様子で言う男性騎士がいました。

彼は、コーレン副団長だ。





「また、寝坊したのか」

「相変わらず、お気楽な奴だな…」


「いえ…朝食を少し取り過ぎてしまいまして、遅れそうになりました!!」


私は、そう答える。


本当は…馬小屋の餌やりの当番を忘れていた事も理由としてあるんですが、怒られそうなので、それは言う事が出来なかった。




「ハァ…」

「お気楽という事は、否定しないんだな」


コーレン副団長はため息を吐き、そう言った。

そして、ルイアに話し掛ける。



「ルイアも、いつも同じ部屋で大変だな…」

「イブの世話をしてくれて、有難うな」



「いえ…そ…そんな事はありまふぇん!!」

「ぜん、全然大丈夫です!!」


ルイアは顔を少し赤らめて、震わせた声で言う。






「…」(私)






(あれれ…?)



(これは、まさか…?)




というか、私は知っていました。

ルイアは、コーレン副団長に恋心を寄せていたのだ。これは、前にルイアと恋バナをした時に発覚した事で…まぁ、以前からコーレン副団長に対する態度があからさまに違うから、ルイアから話しを聞かなくても、なんとなく分かっていたんだけどね!!



これは一応、2人だけの秘密になっているのです。



コーレン副団長から顔を背けて、恥ずかしそうにしているルイアを見て、私は『フっ…』と笑みを浮かべるのであった。




そんな私を見て、ルイアは私の事を睨み付けていた。 


    







「じゃあ、今日の任務に行くとしますか…」


コーレン副団長は、私達が揃ったのを確認して言いました。

それでは、今日の任務であるこの町周辺の害獣討伐に、いざ出発です!!



((さぁ、頑張るぞー!!))









「あー、それとイブ…」

「馬小屋の餌やりは、俺がやっといたから」




「…」(私)




「有難うございまーす」









これは、明日から早起きした方が良いわね…







                


        ◯








「ワイワイワイワイ…」


「ガヤガヤガヤガヤ…」


レンガ造りの建物が、軒を連ねる風情ある町中を…私達と同じ様に忙しない1日が始まるのでしょうか…大勢の人達が行き交っている。



「「ホラっ、安いよ、安いよー!!」」(町人A) 


「「魔牛の串焼きは、いかがですかー!!」」(町人B)


「「こっちは、焼きたての美味しいパンを売ってるよー!!」」(町人C)


「「お昼のお弁当にどうですかー!?」」(町人D)



「「あっ…騎士さん、おはようございまーす!!」」(町人E)

「「今日も、頑張って下さいねー!!」」




(は~い、有難うございます…)


私は、手を振りながら町の人達に応えます。



―私達5人の騎士は馬に乗って、町の外に出る為、町中を通り抜けている所であった。町のメインストリートである大きな道には、沢山の露店が立ち並んでいまして、そこから色々な人達に声を掛けられます。



まぁ…いつも通りの朝の風景ですね。


私達は人混みを掻き分けながら、進んでいく。



それで、所々には…

この町の名物である小麦を使ったパン屋が多く存在しており、そこから出来立ての美味しいパンの匂いを醸し出しています。




(クンクンクンクン…)


(あ~、良い匂い…)



私は先程、朝食を食べたはずなのに、その匂いを嗅いだり、露店に売っているパンを見ている内にもうお腹が空いてきてしまっていた。







「あー、お腹が空いたなぁ」





私はそう言葉を漏らしながら、町の外に向かうのであった。






そして、しばらくして私達5人の騎士一行は、雄大な大草原の中を馬で駆けていた。












(4/7) ~騎士について~












「ヒュウウウウウウウウウウウウウウウウ―!!」


「パカパカパカパカパカパカ―!!」




見渡す限りの大草原の中を、爽やかな風と共に馬で駆けていきます。



空は綺麗な青色に染まり、燦々と降り注ぐ日差しは生い茂るの草々を鮮やかな黄緑色に煌めかせます。遥か先には、雄大な山並みがくっきりと見える。






(空気がとても澄んでいる…)



(ん~、とても良い景色ですね…)





ですが、私達はハイキングに来ている訳ではありません!!

私達は和やかな雰囲気で町を出発しましたが、騎士という仕事は、その雰囲気とは裏腹にとても危険な仕事であります。



私もここからは、気を引き締めて、行かなければなりません。


敵はいつ出て来ても、おかしくはないのです!!






騎士の仕事とは―


ザックリ言ってしまうと、この国や町の人々の暮らしを守るという事です。具体的に何から守るのかといいますと、その大部分は魔獣(害獣)になるのです。




―この世界には多くの魔獣が住んでいます。



この町の周辺では、ゴブリンやスライムが多く出現して、それらの魔獣は街道を行く商人と旅人の食料や物資を目当てに襲い掛かってくるので、定期的に巡回して、討伐をしているのです。人を襲う魔獣は『害獣』と呼ばれ討伐の対象になっているのです。



まぁ…

スライム(手のひらサイズ)やゴブリン(子熊くらいの大きさ)なら、多少腕の覚えがある人ならば、倒す事は出来ますけど、数が多かったり、たまに出現する巨大ゴブリンや巨大スライムは普通の人では、とても手に負えないので、腕が立つ冒険者や私達騎士などが倒しているのです。



そして…騎士が闘う大部分は魔獣と言いましたが、それ以外にも、時には盗賊とも闘ったりしています。




盗賊は、小さな町や村を襲い、時には住んでいる人達を殺して、金品や食料などを奪い去っていく悪い人達です。このパーシャの町の周辺にも、そういう人達がそれなりにいますから、魔獣討伐と並行して、警戒にあたっているのです。


なので一見して、長閑で平和そうな町に見えますが、実際はあまり良い治安とは言えないのが現状なのです。








「…」(私)







私もこの騎士団に入ってから、十数人くらいの盗賊と闘い、捕まえました。




…そして、数人くらいは、やむを得ず殺してしまいました。



盗賊とはいえ同じ人ですから、ゴブリンやスライムを倒すのとは訳が違います(まぁ、強さでいえば、ゴブリンより少し強い程度ですが…)





初めて人を殺した時は、ショックでした。


コーレン副団長はそんな私を見て、こう言いました。





「俺達騎士も命をかけて、その責務を果たしている。お互い命がけの闘いなのだ。だから、そうゆう事もあるさ。彼ら(盗賊)も、それを覚悟の上で剣を抜いたのであろう」


「…それにな、彼らは幾人もの人達から物を奪い、そして人も殺している。同じ目に遭うのは当然の報いだ。だから、気にする事は無い」 



…と。




そして、他のメンバーの励ましもあって、今も変わらずに、私はこの国を守るという騎士としての使命感を持って仕事をしています。


騎士の皆さんは、とても優しい方ばかりなのです。







「…」(私)







話が逸れましたが、盗賊だけではなく魔獣との闘いも命がけですし…まぁ、どの闘いも、いつだって命がけなのです!!


騎士というのは、とても誇り高く、皆の憧れの仕事でもありますけど、そんな仕事なのです。











(5/7) ~流麗な剣技~












草原を馬で駆けていくと、その内に雲の流れが速くなり、風が出てきました。


そして、遠くの方にゴブリンが3体いるのを発見した。

遮るものが無いから遠くにいても、とても発見しやすい。





「私がやるわ」





私はそう言うと、腰に携えたパーシャ騎士団の紋章が刻印させた剣を抜き、皆より前の方に出る。私は馬を加速させ、一気にゴブリンに近づく。



ゴブリン達も近付く私に気付いて、私に向かって飛び掛かってくる。 ゴブリン達の手には、木の棒や錆びた剣が握られており、当たったら、とても痛そうです。



私は馬に乗ったまま剣を軽く、そして素早く振る。

振るった剣はゴブリン達の急所を的確に捉え、ゴブリン達の身体は切られた傷の所からボロボロと崩れて、消滅していった。












結局、私は馬から降りる事はなく、馬を走らせながら一撃で斬り倒していた。










私の様な “魔獣使役の魔法” の使い手の基本的な闘い方として “魔獣の気持ち” で相手の行動を先読みして、流れる様な動きで素早く急所を攻撃して、敵を仕留めるのです。



“魔獣の気持ち” は知性が高く、人と心を通わせる事が出来る穏やかな魔獣ならば意志疎通をしやすくして、親和を築く事が目的ですが、害獣と呼ばれている様な魔獣は知性が低く、そんな事は出来ません。しかし、相手の気持ちは読む事は出来るので、次の相手の行動を先読みして、動く事が出来るのです。





華奢で、か弱そうな少女がゴブリン達を澄ました顔で流れる様に、あっという間に斬り倒す姿は、そのギャップも相まって、とても綺麗です。


その姿を絵にしたら、どこか偉人の肖像画にもなりそうな風格と気品さを感じさせる事でしょう(自賛)




私は馬を走らせて、皆の所に戻っていく。







「また腕を上げたね、イブ」


ルイアは、そう言った。



「エヘヘ…有難う」 


私は、誇らしげに笑う。




「これで能天気な性格が治ったら完璧なのにね」


「はい…すいません」






「しかし、まだまだ無駄な動きが多いな」


コーレン副団長は、しっかりと指摘をしてくれました。

何か勝手に舞い上がってすいません…まだまだ半人前の私なのです。




その後も―

周辺のゴブリンやスライムなどの魔獣を皆で倒していると、遠くの方に大きな緑色の塊が動いているのを発見しました。


大きさは…3階建ての建物くらいでしょうか。

手には大きな木のこん棒を持っています。



「あれは巨大ゴブリンだな」

「あの場所は街道にも、近い所だからな。あれは討伐するぞ」

「皆、いくぞ!!」



「「はい!!」」(4人の騎士)




コーレン副団長の一声の下、私達は巨大ゴブリンを討伐する事になりました。ここからは、パーティーらしく皆と連携した闘いになるのです。











(6/7) ~さて今日の大物です~











私達は巨大ゴブリンに向かい、馬を進めます。

さぁ、どう連携してこの害獣を討伐していきましょうか!! 



「「イブ―!!」」

「「俺(バルモ)とルイアで陽動するから、その間に奴の動きを鈍くしろ!!」」


「「分かったわ―!!」」


((つまり、フォーメーションGですね!!))



私達は瞬時に、それぞれの役割を把握する。




―魔獣討伐をする時は、パーティーを組んで皆と協力して魔獣を倒しに行く流れをよく聞きますが、私達騎士の戦闘スタイルもその様な感じで少人数のパーティーに分かれて、普段は魔獣討伐などの任務をしています。私のパーティー(今、ここに居る5人)…まぁ、騎士団ですから分団と呼ばれていますが、正式名としてパーシャ騎士団第2分団であり、私はそこに所属する団員であるのです。


第2分団のメンバーですが、私とルイアの他にコーレン副団長、サニー副団長補佐、バルモ分団長がいます。




コーレン副団長は…

その名の通り、このパール騎士団の副団長をしており “土の魔法” の使い手で、とても強くて頼りになるお方です。また彼は…背も高く細マッチョで、顔も中々のイケメンであるので、女性からの人気も高いとか。


そんな彼なのですが、聞いた話しによると、今は奇跡的に付き合っている人は、いないそうです。現にルイアも密かに、彼に恋心を寄せていますが、もしかしたらルイアにもワンチャンがあるかも知れませんね!!




(まぁ…難しい気もしますけど)



そして、因みに…騎士として、まだまだ新米である私とルイアの教育係でもあり、いつも厳しくも為のある指導を受けています。




続いて…サニーさんとバルモですが、サニーさんはこのパーシャ騎士団の副団長補佐をしている小麦肌の女性であり、私とルイアからしたら、コーレン副団長と同じかなりの上官になります。サニーさんは “水の魔法” の使い手であり…やはりとても強く、そして優しい女性でもあり、このパーティーではお姉さん的な存在になります。


つまるところ、サニーさんもコーレン副団長と同じく私とルイアの教育係であるのです。



最後にバルモですが、彼は血気溢れる青年であり、この第2分団の分団長になります。彼は “土の魔法” の使い手であり、その実力も中々高いです。そして、私とルイアの数年上の先輩でもあり、騎士としても中堅として、このパーシャ騎士団を支えています。


このパーティーでは、明るくパーティーを活気づけるムードメーカー的な存在になっています。




(たまに、暑苦しく感じる事もありますけど…)








「「「ドゴオオオオオオオオオオオオ―ン!!」」」



巨大ゴブリンの持っているこん棒が、私達に目掛けて振り下ろされました。


こん棒が地面にめり込んでいます。


私達は慣れた感じで、こん棒を躱していた。動きが単純だから避ける事は容易なんです。しかし、油断していると大怪我をしますけどね。ルイアとバルモは、巨大ゴブリンの周囲を馬で走り陽動を行い、私はその内に魔獣使役の魔法 “安らぎの匂い” を発動させる!!




“安らぎの匂い” は―

安らぎを与える匂いを周囲に振り撒く技です。


本来は、人と心を通わせる事が出来る魔獣(親和獣)との親和を向上させる事が目的の技ですが…害獣と呼ばれる魔獣に対しては、リラックスをさせて、眠気を誘い意識朦朧の状態にする事が出来ます。




「…」(私)



しかし、巨大ゴブリンは身体が大きい為、効果が出るには時間が掛かるのでしょうか!?



「「「ドゴオオオオオオオオオオオオ―ン!!」」」


「「「ドゴオオオオオオオオオオオオ―ン!!」」」



巨大ゴブリンは、相変わらずこん棒を振り回している。




「「イブ、あとどれくらいで効くんだ!!」」


バルモは、振り回されるこん棒をヒョイヒョイと避けながら言う。



「「ごめん、もうちょっと待って!!」」


((集中してんだから、話しかけんな!!))





「…」(思考)




しかし “安らぎの匂い” を発動させてから、しばらく時間が経っている。もう、流石に効果が出ても良いはずなんだけど。いや、もしかして…風が強くて、匂いが飛ばされている可能性があるかも。





「…」(私)




(匂いは、ちゃんと巨大ゴブリンの方に行っているわよね!?)


(本当に効果が出るのか、少し不安になってきた…)




「「「バシャアアアアアアアアアアアア―ン!!」」」


「「!!」」(私)


私がそう思っていると、後方にいたサニーさんが魔法を発動させる。振り下ろされる、こん棒の先に大きい水球が出現して、それにこん棒が直撃します!!


そして、こん棒は―

水球に当たり大きな水飛沫をたてると、そのまま水球の中にすっぽりと入ってしまった。



これは、水の魔法 “水捕球” です!!



「ウゴゴゴゴ…??」


「「「ウゴオオオオ―(何だ、これはアアアア―)!?」」」


巨大ゴブリンは…こん棒が水球の中に捕らわれ、フヨフヨと浮かんでいるのを見て、呆気にとられている。その隙を見逃さずサニーさんの隣にいたコーレン副団長は、土の魔法 “地形操作 土錠” を発動- 



巨大ゴブリンの足首に土がまとわりつき、足を固めて動きを止める!!


巨大ゴブリンは『何だ、これはアアアア―!?』と叫んでいる感じがしました(多分…)




「「!!」」(私)


巨大ゴブリンの動きが止まった所で、私の最初に放った魔法が効いてきたのか、巨大ゴブリンはフラフラとし始めた。そして、追い討ちとばかりにサニーさんは、先程こん棒を捕らえた水球を巨大ゴブリンの頭上高くまで移動させて、水球を解除する!!



「「「ドゴオオオオーン!!」」」(落下したこん棒の音)


(ピヨピヨピヨピヨピヨピヨ…)



こん棒は巨大ゴブリンの頭に落ちて、巨大ゴブリンは意識を失いそうになっていた。





       

    「「「さぁ、今よ!!」」」





サニーさんは、私達3人に声を掛ける!!


私とルイアは、一気に馬で巨大ゴブリンの足元を駆け抜け、それぞれ片足ずつを剣で斬り裂いていた。ルイアは剣に炎を纏わせ、足を焼き斬っていた。これは、武器に火を纏わせて攻撃力を向上させる火の魔法 “火纏い” です!!


両足を切られたゴブリンは、とうとうバランスを崩して、ひざまずく。


そして…

意識も朦朧としており、すでに反撃の意志は感じられなかった。




「「「とどめだアアアアアアアア―!!」」」


「「「奥義、超硬化アアアアアアアア―!!」」」



そう叫び、バルモは巨大ゴブリンに向かって―


大きな剣を振りかぶり、高く飛び上がる!!

バルモの身体は、ボディビルダーの様にピカピカにテカっていた。これは自らの身体を硬化させて攻撃力と防御力を向上させる土の魔法 “硬化” です!!






 「「「ゴオオオオオオオオオ―ン!!」」」





バルモの大きな剣がトドメと言わんばかりに、巨大ゴブリンの頭を一撃した。頭を大きく砕かれた巨大ゴブリンは、そのまま倒れていました。








そして-




もう起き上がる事は無かった。





そう、討伐完了です!!





(はい、お疲れ様でーす!!)











(7/7) ~今日の終わり~











巨大ゴブリンを倒した後、私達は周辺の魔獣(ゴブリンやスライム)をあらかた倒し、夕方帰路につこうとしていた。その途中、私達は草原の丘の上にポツンと立っている木の近くで腰を下ろしていた。




「ヒュウウウウウウウウウウウウウウ―!!」


「サアアアアアアアアアアアアアアア―!!」





遠く彼方に光輝く眩しい夕陽は、もうすぐ夜になる事を告げています。





夕陽に照らされてオレンジ色に輝き―



風に靡く草原の草々は



まるで煌めく炎の様に、鮮やかで綺麗な景色です。








私は、そんな燃え盛る景色を只々…眺めていた。



そして、髪を風に靡かせながら自然と呟く。





(ハァ、疲れましたね…)






今日は、魔獣を討伐した数が中々多かったですからね。


その中には巨大ゴブリンもいましたし…


皆も、疲れていたのか…

しばらく、その景色を眺めていました。
















「いやー…今日は皆、ご苦労だった!!」

「今日は皆、どうだった!?」



その内に、コーレン副団長が口を開きます。

休憩を兼ねて…毎回の恒例である、今日の反省会(振り返り)が始まるのです。そして、話の内容はやはり巨大ゴブリンを討伐した時の事になります。



「俺の奥義は、凄かったろ!?」 


バルモは、自慢げに皆に言います。

多分…巨大ゴブリンにとどめを刺したあの技の事を言っているんでしょうが、しかし―



「いや、あれは奥義には届いていない技だから」


コーレン副団長は、あっさりと言い切りました。


奥義とは…高位の魔法の事を言い、基本の魔法の技を一段階強化したものであり、どれも必殺技として威力が高い魔法の事です。バルモが、あの時使った土の魔法奥義 “超硬化” は、本当ならもっとテカり方が増すそうで…あれは “超硬化” では無く、その下位の只の “硬化” であるとの事です。




「しかし…あのテカり方だったら、もう少しで奥義になりそうだな。もっと、実戦を積んでいけば、その内に奥義になっていくだろう!!」


コーレン副団長は、バルモにそう言いました。






「…」(私)




奥義と言えば…

私も、最近になって奥義を使える様になったのでした。私は、バルモに張り合う様にコーレン副団長に報告します。



「コーレン副団長!!」

「私も最近、奥義 “親和の芳香” を使える様になりました!!」




“親和の芳香” とは、魔獣使役の魔法 “安らぎの匂い” の上位にあたる技で “安らぎの匂い” より効果が高い匂いを周囲に振り撒く事が出来ます。その匂いを嗅げば…巨大ゴブリンでさえ、すぐに意識朦朧にさせて眠らせてしまいますし、心穏やかな魔獣に使うと、より親和を築きやすくなったりします。




「じゃあ、何で…」

「あの時(巨大ゴブリンとの闘いで)使わなかったんだ!?」


「いや、まだ実戦では使えなくて…」




…はい、そうなんです。


奥義とは、発動にとても多くの魔力と集中力が必要であり、また発動する事が出来ても、その技をコントロールする事がとても難しいのです。



私は訓練で時間を掛けて、やっと奥義を発動する事が出来るのです。



また “親和の芳香” の下位である “安らぎの匂い” ですら、巨大ゴブリンに当たったかどうか分からず…上手くコントロールが出来ていなかったので、奥義を実戦で使う事は、まだ当分無理でしょうか。



((そもそも―!!))


この魔法の本来の目的は、知性が高く人と心を通わせる事が出来る穏やかな魔獣との親和を築く為の技ですから… 害獣との闘いでも応用は出来ますが、匂いなので当てるのが大変なんです。


今日みたいに風がそれなりに吹いていると、どっかに飛んでいっちゃうし、コントロールをするのが凄く難しいんです!!





「…」(私)


私は、そう言いたげな顔をしていました。










「闘いの優劣を決めるのは、何も魔法の威力だけではない。闘いはあらゆる環境下で行われるから、そこで瞬時に状況を判断して、いかに魔法を使いこなす事が重要なのだ…」



「は、はい!!」(私とバルモ)



「それは、時に環境によって魔法を弱くしてしまったり、逆にその環境を利用して魔法を強くする事も出来るのだ!!」


「俺は…今まで色々な場所で闘ってきた。お前達は、まだまだ踏んできた場数が全然足りんからな。もっと練習と経験を積んで、どんな環境でも魔法の力を最大限に発揮、出来る様にする事だ」




       

 「そう、俺みたいにな(キラアアアア―ン!!)」




コーレン副団長は『ニヤリ』と笑い―

決め顔でそう言いました。





(ま、眩しい…)


夕陽に反射したコーレン副団長の歯が、キラリと光り…


何か眩しかったです。




こ、これは魔法 “イケメンフラッシュ” ですね!!




夕陽と相まって、眩しさがパワーアップしている気がしました。なるほど…環境を利用して魔法を強くするとは、こうゆう事を言うですね。








…いや、これは魔法ではありませんけど。



「はい…」(私とバルモ)



私達は、コーレン副団長の眩しい笑みに頷くのでした。


ルイアだけは、目をキラキラと輝かせていました。










「カァカァカァカァカァカァ…」



その後も、皆としばらく…今日の振り返りが続いた。



そして―






「じゃあ、そろそろ行くか…」


「えぇ、そうしましょう」



「今日の夕食は、何かな~!?」


「イブは、食べる事で頭が一杯ね…」



「今度、大食いコンテストがあるから参加してみろよ!!」




暗くなる前に、今日の振り返りを終えた私達は、パーシャの町に戻って行くのでした。夕陽の中に、私達5人の騎士は消えていきます。





私達は…


いつも、新米とベテランがバランス良く組まれた、この5人のメンバーで任務を行っています。その内に、私も中堅になっていけば、コーレン副団長とサニーさんの教育を卒業して、普通の団員同士でパーティーを組んだり、町の冒険者と一緒にパーティーを組んだりして任務をする事もあるそうです。



まぁ…そうなるには、もう少し時間が掛かりそうですけど。


いつか、その内に…きっとね!!







(因みに…)


ルイアがコーレン副団長から受けた指摘は、巨大ゴブリンの足を火を纏わせた剣で切ったのですが、その火の勢いが強すぎたとの事でした。あれでは、草原に引火して延焼してしまったり、無駄な魔力も消費してしまうとの事です。


火の魔法は…威力が高いですが、使い勝手が悪く、技のコントロールを誤ると火災が起きてしまいます。私達の第2分団では熟練の水の魔法の使い手であるサニーさんがいるので、今は何の心配もありませんが、魔獣との闘いは草原や森の中が多いので、その辺を気を付けて火の魔法をコントロールしながら闘う事が、今後のルイアの課題になるとの事です。






ルイアもまだまだですね。




私と一緒に頑張りましょうね。

















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