#038 : Cast Away

こんにちは!カエデです!


突然ですが!今!大大大大大ピンチです!

略してカエデ大ピンチ!


え?いつもピンチじゃないかって?

そうなんです!助けてください!


あ、そんなことよりも…えっと!今はですね?

…いち、に、さん、し、ご…なんと!5匹のゴブリンに囲まれてます。


…どうしよう…KDP(カエデ大ピンチ)です!



「こんなモンスターやっちまえよ!カエデ!」

友達のウィルソンがやたら強気ですが、こんなの勝てるわけがない!


「無理だよ!ウィルソン!ここは逃げようよ?」


…?…あッ!そうか!皆さんは知らないですよね。


紹介しますね。この子はウィルソン。

その辺に落ちてた良い形の石です。


1人はとても寂しくて…どうしても…友達が欲しかったんだ…。

ね?ウィルソン。あは。…あれ…おかしいな…口から水が…。

お腹減ったなぁ…おまんじゅう…食べたいなぁ…。

私は手のひらの良い形の石を見つめました。


ウィルソンは私が泣いてる時…優しくしてくれた。

ウィルソンは野宿する時も一緒に寝てくれた。

ウィルソンと見た星空はとてもキレイだった。

ウィルソンはいつもいつも!一緒に居てくれた!


そんな大切な大切な友達のウィルソン…大好きだよ?

これからも一緒に居てね?


「くらえ!そんな愛と友情のウィルソン☆アタック!」

私はウィルソンをゴブリンに投げつけて逃げました。


「ゴブ!?ゴブゴブ!」(あいつ!?石と喋ってたぞ!)

「ゴーゴブゴブゥ…」(やべーヤツだよ…関わらない方が良い…)

「ゴブ…ゴブゴ…」(そうだな…深く関わるのはやめよう…)


ゴブリン達は怯えながら帰った。



どうやらゴブリン達から逃げる事が出来たようです。


国外追放され、着の身木の実ナナ…じゃなかった!てへぺろ☆

着の身着のまま放り出された私にとって、唯一の希望が王様が言っていた大魔王サクラです。


親友のサクラと同じ名前…ただの偶然なのかもしれない。

それでも今の私にはこのわずかな可能性に賭けるしかないのです。


私は決意しました。


—— 大魔王サクラのところに行こう!


まずは…人の居るところに行かないとね!


「街とか村とか無いのかなぁ…」

私は街道をひたすら歩く。


「お!良い形の石みっけ♪」


私は良い形の石を拾い、微笑みました。

「こんにちは!ウィルソン2世。」


その後、大きめのリスのモンスターに襲われました。

私は大きなダンゴムシが出てくる映画で得た知識の「怯えていただけなんだよね」をやろうとしたら噛みちぎられそうな勢いだったので親友のウィルソン2世を投げつけて逃げました。


(カエデのスキル : 【ウィルソンを投げつける】のレベルが上がりました。)


「わわッ!ビックリした!」



(つづく)


——————————

★勇者・カエデの現在のステータス

  ・名前:カエデ

  ・種族:人間

  ・レベル:1

  ・スキル:ウィルソンを投げつける (レベル2)

  ・称号:勇者

       → 成長補正[極]

       → エクストラスキル解放

  ・エクストラスキル :

      光魔法解放(勇者専用)

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