転生してもAでした。
さくらんぼん🍒
#001 : 転生してもAでした。
—— これは私…サクラが世界を征服する物語。
…
『 …ちゃん…お姉ちゃん!お姉ちゃんッ!!起きてよ? 』
…誰かが私を起こす声がする。
……誰かが私の身体を揺さぶっている。
…ぅん?……おかしい?
誰かが部屋に居るが、私は一人暮らしな…のだ…け…ど…?
「 …えッ!? 」
慌てて身を起こすと、知らない
「 なんでッ!?お嬢ちゃん!?だれッ?…どうした…の…? 」
私は質問を投げながらも目に入る景色から、自宅の寝室とは違う場所に居ることを理解していった。
…知らない部屋に居る。
……そこには知らない女の子が居る。
「 は?なに?ここはどこ!?…落ち着くのよ私!……ちょっと思い出そう?」
「……確か…昨日は……そうだ!…地震が来たから『(胸が)揺れたわw』ってSNSにツイートしたけど、実は私の胸は…まったく揺れてなくて…そこで自身の自信は揺れて…それから世界に絶望して不貞寝して…………で、今?」
『…うん!ろくでもない日常を送ってるね☆』
女の子がとんでもなく失礼な事を言ってきたが、今はそれどころではない。
私は状況を整理しながら女の子をよくよく見てみる。
女の子の顔色は青白く、頭の左右からは
「………って!お嬢ちゃん!?……それ…頭からツノッ!?…もしかして…つのだ☆ひ…いえ…なんでもないわ!」
女の子は軽くパニックになっていた私を見つめながら言った。
『…えと…あの……?…続けて良いかな…?』
「あ、はい。どうぞ。お願いします。」
そして女の子は仕切り直すように嬉しそうに手足をバタバタさせて口を開いた。
『 オホンッ☆…えっとー!まずはッ…私の名前は
「…ん…あ…はい…マオーさん?」
『この世界はお姉ちゃんの居た世界とは違いまーーーッす☆ 今、私達が居るこの場所は
「…ダン…ジョン……?」
『昨日ね?私が魔王になってしまったので、サポーター召喚ガチャを回したらお姉ちゃんが選ばれたんだよ☆ 』
「…ガ…チャ…?」
『お姉ちゃんにはこれから私の
「…ゎぁぉ…たのしそぅ…?」
女の子は紅い瞳をキラキラさせながら言葉を続ける。
『 あーッ☆ そうそう!お姉ちゃんは人間ではありませんッ☆ 召喚の時に
「…へぇ?…オニね…そうなんだ…?」
早々と動いていた薄紫の唇が閉じると、魔王エストはやりきった表情をした。
…?
……。
少しづつ…今の私が置かれている状況が頭に入ってきた。
巷で流行りのアレだ。異世界召喚だ。
人間側が召喚したのではなく、魔族側が召喚してきた!?
………!!
「 …んん"ッ?…人間じゃなくて鬼ッ!? 」
『 うんッ☆ 』
私は慌ててベッドから飛び出し、部屋の中を物色する。
「…は?……えッ!?なに?どういうこと?」
すると、鏡を見つけたので、おそるおそる…自分の姿を鏡に映す。
…
「 …ぇ? …若返ってる…?」
私は新卒で商社に入社したばかりのOLだが、鏡には10代後半くらいの自分がいた。
—— そして頭には見慣れぬものが!
「……?何これ!?」
私は恐る恐る頭の見慣れぬものを触ると、これが作り物ではない事がわかった。
「 …これ…頭から生えてる……私の頭から…
『 だって鬼だもーーーん☆ 』
エストはとても嬉しそうだ。
「…ちょっと待って…ぉ…お…鬼だなんて……そんな………これからは豆を食べる事はできないの…?……豆腐や豆乳は?…そして何よりも大好きな納豆は…!?」
私は動揺と納豆への愛を隠せなかった。
『気にするところそこ!?』
そして私は異世界に転生したのだと理解した。
「 転生…ということは…生まれ変わり…?…今までの私ではない……あっ!じゃあ………胸は!?…もしかすると! 」
私は
スカッ…!
私は再度
スカッ…!スカッ…!
……期待はすぐさま落胆へと変わった。
「 …
私は落胆しながらも上手い事を言えたのでドヤ顔をキメた。
『イラッとするからそのドヤ顔やめて!?』
「はい。」
『 お姉ちゃんは胸が
「おいぃッ!?…小娘ッ!…言葉に気を付けろ!今すぐ金棒を持ってこい?…そして…そこに正座しろーッ?」
私は小娘を怒鳴りつけた。
『凄い殺意!まるでお姉ちゃんが魔王ッ!』
すると小娘は何か閃いたような表情で言った。
『 あッ!じゃあさ☆ じゃあさ☆ 世界征服をしたら
私は食い気味に世界征服の決意をあらわにした。
—— そして魔王エスト様の手の甲に誓いのキスをする。
そう——。心からの忠誠を誓ったのである。
『 ふッ☆ふはははははははははははッ☆』
「あははははは!あーッははははははッ!」
私たちの高らかな笑い声が…この異世界に響き渡る。
—— こうして私たちの世界征服が始まったのである。
(つづく)
「あッ!」
『ん?』
「あのッ…質問良いですか?」
『なぁに?☆』
「やっぱり節分の日は隠れてないとダメですかね?」
『知らないよ☆』
「うーん…まぁいっかw」
『うん☆』
「あッははははは!あーッははははははッ!」
『 ふぁーッはははははははははははははッ☆』
(ナレーション)
—— バカ2人の笑い声がいつまでも異世界に響き渡っていた。
※次回のキーワードは "乳・尻・太もも" だよ☆
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます