Histeresis
河岸 悠
前文
世界は巡る。生物は興っては滅ぶ。その過程のうちに人間が生まれ、社会が生まれる。社会はやがて家族から村となり、町となり、国となって、文明が大陸を支配した。
そうして幾千、幾万もの命を積み重ねた後の『豊穣による平和』を人々は享受し、やがて起こった崩壊は彼らにその代償を支払わせた。
前触れ無く起こった、それまでの摂理や学問を無視するような数多の事象。生物は歪んで混ざり、土と水は腐り、空は暴れ狂う。生と死は狭間を忘れて入り乱れ、時間さえもが破砕される。
それらは瞬く間に人の世界を飲み込み、強固だった社会と規範は呆気なく瓦解した。
そんな、理外の理を人々は『魔法』と呼んだ。
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