天才魔術研究家の俺。裏切られて死んだけど、死に戻りしたので魔術を極めようと思う 〜無能スキルだとバカにされ殺された俺。二度目の人生では、誰も知らない魔術知識で無能スキルが最強に。さぁ、復讐を始めよう〜

巨乳美少女

第1話 復活

「死に戻り……?」


僕は、自分の手のひらを見つめ呟いた。


薄暗くなった山奥にある家の前、俺は八歳の姿となってその場に立っていた。


古臭いボロボロな服、対して物の置かれていない質素な部屋。完全にこれは八歳の頃の自分と同じ環境だ。



♢ ♢ ♢



──「これより、ノア=ホワイトの電気椅子による死刑を執行する」


大衆に囲まれた俺は電気椅子に縛り付けられていた。


勿論、ノアは罪なんて犯していない。ましてや、死刑になるほどの。


……ということは、言わなくてもわかるだろうが、どうやら俺は冤罪をかけられているようなのだ。


その罪とやらは、僕が村に古代から伝わる魔道具を壊したとか何とか。


一人、山奥の家に籠って魔術の研究に打ち込んでいた僕が、わざわざ村へ降りて壊すわけないだろう。


「ッ動くな、ノア=ホワイト。……貴様、最期くらい、反省の色を見せたらどうなんだ?!」


僕が少し手足に力を込めると、死刑人はすぐに俺を睨みつけた。


が無実潔白の僕はすぐに死刑人を睨み返し、口を開く。


「だから、言っているだろ。俺はやっていない」


しかし、無実の僕の元へかえってきた言葉は野次からの罵詈雑言だ。


「ッ見苦しいぞ、この老害め!」


「もう、くたばれよ、おっさん」


「さっさと罪を償え、犯罪者ッ!」


老害におっさん呼ばわり。僕も、もうジジイか……。ふと自分の手に目線を向け、ため息をこぼす。


魔術の研究に人生をかけ、今やもう、なんというか、ジジイになってしまった。


八歳になり、スキルが発現したあの時『無限魔力』が出ていなければ変わっていただろか。


魔術を使えない村人じゃなければ変わっていただろうか。


両親がいなかった僕を世話してくれた村の人たちは、僕のスキルがハズレスキルだと知ると、みんな蔑み、離れていった。


それからは家に篭って魔術の研究に励んでいたが、結局はこのザマだ。


僕の人生何だったんだろうな。せめてこの知識だけでも残してやりたかった。


「最期に言い残すことはあるか?」


そんな処刑人の問いかけに、僕は首を横に振ると同時に、この儚く悲しい人生に幕を閉じた。







…………はずだった。


「うーん」


奥にある家の鏡で、自分の姿を確認し、唸らせた。


意識を取り戻してから、色々考えてみたものの、やはり意味が分からない。


……なぜ六歳の頃の姿でこの家に戻ってきているのだ。


完全にここは俺の部屋、そして家の周りの景色を見れば分かることだが、自分が縮んだ訳ではなく、完全にタイムスリップしている。


……となれば、普通、困惑するところだろうが、僕は違った。


むしろ、この状況を理解し、喜んでいる。


この姿になってから、色々考えてみたが、僕の夢を叶えるには、全て好都合。


理由なんて、どうだっていいのだ。そう。


「魔術を極められるんだからな……!」

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