僕を嫌っていた妻が死んだ話。

Aone

第1話




5年前、僕「松田りょう」はある人に出会った



僕の働く会社に派遣で来た「櫻井ナツ」という名前の年下の女の人。



その子は大人しそうな外見で

他の人ともあまり会話をせず・・


仕事で必要な事だけしか会社では話さないような・・


とにかく大人しくてどこか孤独に見えるような子だった。





その静かな性格は他の社員からの印象も良くなく・・



「なんかあの子がいると暗くなるよな~」という陰口もよく聞いた。



正直僕もあまり関わりたくないな・・とは思っていた。




だけど櫻井さんが派遣で来て3ヶ月位が経った頃



相変わらず社内で友達ゼロ、って感じの櫻井さんと僕は残業で二人きりになってしまった



僕が担当していた仕事が終わらず、それを無言で手伝ってくれていたのが櫻井さんだった。




(手伝ってくれてるし・・さすがにお礼は言うか・・)




そう思い今まで挨拶程度しかしなかった櫻井さんに僕は話しかけた




僕「あの・・櫻井さん。

僕の仕事を遅くまで手伝ってくれてありがとうございます。」





僕がそう伝えると櫻井さんは僕の目を真っ直ぐ見てこう言った





「いえいえ、松田さん!

逆に手伝わせてくれてありがとうございます^^

私仕事するの好きなので^^」




今まで見たことのない笑顔でそう言う櫻井さんに少しだけ驚いた。




(なんだ・・この子普通に喋るんだ。)




正直あの頃の僕はそう思った




そしてそれ以来、僕と櫻井さんは少しづつ話すようになった


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