第100話 私らしい戦い方?
所々で雑魚を槍技&ラッキー君で片付けつつ、海の塔へ。
「最初は連続技でボス以外を片付けるから」
「わかりました。必要に応じて援護します」
話しながら階段を降りていよいよ第一階層。
ボス部屋の前で警備をしているスケルトンナイトを槍技で瞬殺し、扉を開く。
中はテニスコート2面くらいの広間で天井の高さは3mくらい。
敵はぱっと見で4体、手前に立っているデュラハン3体と奥で大きい椅子に座っている大きめの1体。
この奥のがスケルトンジェネラルだろう。
デュラハンが3体とも長剣を構え、こちらへ向かって歩き始めた。
スケルトンジェネラルは椅子に座ったまま様子見のようだ。
まず、雑魚を片付けよう。
『槍技:
『槍技:
『槍技:
距離がそこそこあるのでデュラハンを1体ずつ片付ける。
スケルトンジェネラルが立ち上がった。
遠隔攻撃を仕掛けられると万が一という事がある。
それにこちらからの遠隔攻撃はあまり効かないとカリーナちゃんが言っていた。
だから出すべきは接近と攻撃を同時に出来るこの技だ。
『奥義:彗星進撃!』
しかし敵、大楯で連撃を防いで左側へと避け、更に大剣を振り上げる。
まずい!
とっさに私は左足で床を蹴り上げ右へ回避。
『敵剣技:七胴落とし!』
大剣が下へと振り下ろされ、私が進む筈だった場所の空を切った。
この隙で狙えるか、私は槍を敵足元目がけ突き出す。
しかし敵は大楯を床へたたき付けるように置いて攻撃を阻んだ。
跳上、起動せず。
確かに今までと違う敵だ。
たったこれだけのやりとりなのに既にそう感じる。
しかしまだまだだ。
『槍技:
この距離なら避けられまい。
あえて奥義の彗星進撃ではなく狙いやすい普通の槍技で仕掛ける。
しかし敵はまたもや大盾で防ぎ、そして大剣を振り上げる。
ならこれではどうだ!
『奥義:面制圧突!』
槍先が届く距離で放たれた面制圧技に流石のスケルトンジェネラルも後退。
それでも3m程度、互いの一撃が届く距離。
あの大楯が邪魔だ。
攻撃をしかけてもあの盾で防がれ、反撃態勢をとられてしまう。
あの大楯で防がれない攻撃は何か無いか。
考えている間に敵が仕掛けようとする。
今度は大剣を横に大きく下げるように構えた。
攻撃技全書で得た知識が敵の技を予想する。
まずい!
避けるより相手の態勢を崩す方がいい。
『奥義:面制圧突!』
接近して再び面制圧技。
流石のスケルトンジェネラルも構えを解いて数歩後退。
その瞬間、私は思いついた。
盾で防がれても通るだろう攻撃方法を。
間合いがあいた今がチャンスだ。
神槍から
手に馴染んだ重さが心強い。
敵が再び大剣を横へと構えようとする。
しかし素早さは私の方が上。
だから私の薙ぎ払いの方が圧倒的に速い。
『斧技:パワースラッシュ!』
腕に響く確実な手応え。
敵の巨体が左壁際へと吹っ飛んだ。
壁へと叩きつけられ、そのまま床へと倒れる。
しかし敵はまだ終わってはいない。
立ち上がろうと大楯を構え足を踏み出す。
だが遅いし隙だらけだ!
『斧技:大地裂断!』
私が最も信頼する大技で勝負。
敵はそれでも大盾を上に掲げて防ぐ。
問題ない! 私はそう信じて全力で戦斧を叩きつける。
斧を握る手に強烈な衝撃、一瞬遅れて金属と金属がぶつかる轟音。
私自身の身体が反動で前方上へと跳ね上がる。
しかし斧の刃は更に下へ。
手に明らかに違う種類の振動が響いた。
斧の刃が床を穿った感触、そう気づいた直後、跳ね飛んだ私の身体も床へと着地。
スケルトンジェネラル、大楯ごと床まで断ち裂かれていた。
切るとか斬るというような上品な断ち口ではない。
それでも剣を握った右腕が攻撃しようとわずかに動く。
しかしそこまでだった。
『デュラハン3体、ケルキラ旧要塞・海の塔ボス:スケルトンジェネラルを倒した! ボーナス経験値1210を獲得……』
『ケルキラ旧要塞・海の塔ボス:スケルトンジェネラルを倒した1872組目のパーティとなりました。所要時間2分23秒。
ケルキラ旧要塞の
3分足らずの戦いだったのか、なんて事を思う。
感覚的にはもっと長く感じたのだけれど。
とりあえずカリーナちゃんに今回の報告をしておこう。
「何とか倒したけれど、レベルは38のままだった。経験値は稼げたと思うし、この後新要塞のボスもあるからレベル40はそう遠くないとは思うけれど」
「何というか……カレン以上に豪快な戦い方なんですね、ミヤさんは」
それは仕方ない。
「カレンさんに貰ったこの戦斧が一番慣れて使いやすいしね」
「私も外見上他人の事は言えません。でも小柄なエルフ女子が身長より大きい戦斧を振り回して大柄なスケルトンジェネラルを殴り飛ばすのは何というか、よく言えば爽快感というか……」
うん、言いたい事は何となくわかる。
でもこれもまた仕方ないのだ。
「脳筋時代が長かったからかな。こういう戦い方が身についちゃったのは」
「本当にそれだけでしょうか……」
もちろんそれだけだ。
そもそも運動神経が壊滅的だし。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます