第83話 今度のレベリング場所
「それでご飯を食べた後、旧要塞の方へ行ってみる?」
「そうですね」
カリーナちゃんは頷いた。
「旧要塞はコリション干潟のように時間がかかる部分はありません。ですからこまめに行ってレベルを稼ぐ形がいいと思います」
こまめに行って稼ぐか。
イメージしにくいので聞いてみる。
「具体的にはどんな感じで進むの?」
「この次レベルを稼ぐ場所は旧要塞核心部の海の塔、要塞本館、厳密には核心部ではないけれどそこそこ強い敵が多くてレベルを稼ぎやすい病院跡。この3カ所を行き来する形です。
① 要塞本館でボス部屋手前まで到達したら引き返して海の塔へ。
② 海の塔でボス部屋手前まで到達したら一度戻って病院跡へ。
③ 病院跡はボスがいないのでひととおり倒し尽くしたらまた要塞本館へ。
この繰り返しになります。そろそろ帰る時間だなとか疲れたなと思ったら途中で切り上げて家に帰って、休んだ後に出戻るのもありです」
なるほど。
「なら大分気楽でいいね」
「ええ。そのかわりコリション干潟よりさらに魔物が強くなります。今まで戦ったもの以外だとデュラハン、スケルトンナイト、あとは前に試しで戦ったレイスですね。
ボスは海の塔がスケルトンジェネラル、本館がリッチーです。レベル40以上の冒険者が3人以上必要とされていますので、ラッキーちゃんがレベル40になったら仕上げとして挑戦してみようと思います」
さらに強くなるか。
でも今まで強くて苦労したという覚えはあまりない。
しいて言えばオブクラリスがなかなか倒れなかったくらい。
「倒し方とかで今までと違うことはある?」
「デュラハンやスケルトンナイトは鎧のせいで攻撃が通りにくいです。でもミヤさんの攻撃力ならあまり気にすることはないと思います。
ファントムやレイスも今のミヤさんなら対魔武器で連撃系攻撃をすれば問題ありません。レイスまでの魔法攻撃は連撃系攻撃で潰せますから」
なら問題はなさそうだ。
あと気になるのは……
「旧要塞へ行く時、街の中を3人で歩いて大丈夫?」
うちの家から旧要塞までは街の真ん中を突っ切っていく形になる。
新要塞、役場や各ギルド、市場といった辺りを。
このエリアは冒険者が多い筈だ。
「確かに別行動の方がいいかもしれません。私が先に出ます。ミヤさんとラッキーちゃんは私が出た後、少し間をおいて出てください。
旧要塞手前の門のところで合流しましょう」
確かにその方が無難だろう。
「わかった」
◇◇◇
街の中心部を避け、南側の住宅街を迂回する形で旧要塞へ。
門の手前すぐのところでカリーナちゃんと合流。
ラッキーの首筋に
中の門、いつもなら大声でスケルトンを呼び寄せる場所へ到着。
「もう呼び寄せて倒すなんて事をしなくても大丈夫です。今のラッキーちゃんならただのスケルトン程度は敵ではない筈ですから」
「わかった。それじゃラッキー、行け!」
ラッキー君は私の顔を見て『いいの?』と確認した後、嬉しそうに前へとダッシュ。
出てきたスケルトンを突き飛ばして倒し、更に次の
念のためパスポートを出して確認。
ラッキー君、今やった突き飛ばし攻撃では自分にダメージがないようだ。
なら問題ないだろう。
「薬草は採っておきましょうか。その方がカレンも喜ぶと思いますから」
「だね」
スケルトンはラッキー君に任せて、私とカリーナちゃんは薬草採取。
やはり此処はあまり人が来ないようだ。
薬草が手つかず状態で茂りまくっている。
いつもの広場の薬草を採取した後、階段を上って上の広場へ。
「ここも薬草採取しておきましょう」
という事で、再び採取のお時間だ。
私は右周り、カリーナちゃんは左回りで広場の隅を回って薬草を採取していく。
ラッキー君は順調に暴れまくっているようだ。
ドン、とかガラガラ、とかスケルトンが一方的にやられているらしい音が聞こえる。
念のため時々パスポートを出して確認している。
けれどラッキー君の
どうやらスケルトン程度ではラッキー君にダメージを与えられないようだ。
広場の反対側でカリーナちゃんと合流。
カリーナちゃんは私が今まで行った事が無い、岩山と一体化して盛り上がったような建物を目で示した。
「薬草はこれくらいでいいでしょう。
さて、この建物が要塞本館です。この1階を通り抜けて海の塔や病院跡へ行く事が出来ます。
まずはこの本館から攻略します。地上5階地下2階で、ここを1階として数えます。ボスは地下2階なのでそこまで降りなければ基本的に大丈夫です」
私は大丈夫だろうけれど心配な奴がいる。
「ラッキーはこのまま放しておいて大丈夫?」
「今のラッキーちゃんなら危険な敵と感じたら無理はしないで戻ってくる筈です。この辺りで出てくるゴースト程度の攻撃魔法も避けられると思います」
なら大丈夫だろう。
ただ一応これくらいは言っておこう。
「ラッキー、これから少し強い魔物がいる場所へ行くから。自由に動いていいけれど、見える範囲内にいて」
わかった、そんな顔をした後、今度はダッシュでは無くとことこペースで私達の10mくらい前方へ。
「それでは行きましょうか」
前に開いたトンネルのような入口から中へと入る。
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