無、意識
H.K
序章 〜はく、すう〜
毎日毎日、時間に追われて日常生活を送ることは多いと思う。
若しくは、一日の中でおおよそ半分は駆け足で時間が過ぎていき、後の半分は時間を止めたように家で何もしないことを選んで、自分自信を保つ方略で、生活を営んでいる人も少なくはないだろう。
いずれにせよ、日常生活の中には盲点を沢山沢山作ってしまっているものだ。
例えば、呼吸することを意識するだろうか。意識して深呼吸をしたとしても、その効果を発揮できているのだろうか。
確かに、意図的に深呼吸を取り入れる機会を習慣に持つ人は、自分自身で、または、誰かの号令で深呼吸を生活の中に取り入れている。そして、心が落ち着く。
深呼吸のことをもっといえば、自律神経の交感神経と副交感神経のスイッチを入れ替えることができると、研究成果を発表している識者がいる。
腹式呼吸で鼻から三秒吸い、口からその五倍の時間をかけてゆっくり吐き出すと、副交感神経にスイッチが入ると唱えている。
更には、そのような呼吸方法は、肺に常に蓄えられている残気の交換まで行えているという。
すなわち、深呼吸は副交感神経のはたらきを活性させ、肺胞での酸素と二酸化炭素の交換を効率良くし、体内への酸素取り入れの遊びのバランスを整えているともいえるだろう。
これらとは違う目線で呼吸を見ると、性差がある。
女性は胸式呼吸を常とする人が多いく、男性は少ない。
一概にはいえないが、男女の役割に理が叶っているように思えてくる。
その時は屈強な男性が、恐らく集団で、各々がお手製の武器を振りかざし、脳内ではアドレナリンが一気に放出され獲物を射止めたと考える。
すなわち、獲物を待ち構え、草の茂みででも息を潜めていたとする。ざっくりいうとこれは、副交感神経のはたらきである。
獲物を目視し、いざ、攻撃を仕掛ける時は交感神経のはたらきだ。
要するに、副交感神経のはたらきは、活動の準備を整える役割で、交感神経は活動時にはたらくのである。
息を潜めている時は腹式呼吸が副交感神経へ良い影響を与えてくれるだろう。
一方、女性は居住地を守るため、若しくは、子育て、家事等で活動範囲は広くはないが朝から晩まではたらき詰めだ。
お分かりだろうか、男性は交感神経と副交感神経を使い分ける幅が大きく、女性はその振り幅が小さい。
このように、生きている日々の日常生活は何気く当たり前で意識を向けることが少ない行為だが、多くのことを考えることができる。
我々は、生きていく中で社会的生活に気を取られすぎてはいないだろうか。
個人個人が平等に扱われるように施策されている、お決まりごとは、必ずといっていい程、不平等で、尚且つ、格差を生んでいる。
その差は、鮮明をフィルターを通さないと見落としてしまい、生きていくための、当たり前を粗末なものにしてしまうと考える。
今回の物語は、日常生活で気づきにくい当たり前な事象が展開していく。
さぁ、目を凝らし、耳を澄ませて、向き合おうではないか、身近な自分自身を。
続 次回、第壱話 歩
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