短歌

第29話 祖母

寝る前に

蚊帳をつるし

入るんだ

蚊取り線香

祖母に抱きつき

祖母の家で暮らしてた頃がありました。

お伽話が上手な人でした。

毎晩の寝る時の準備でした。

寝るはずの

お伽話話が

面白すぎて

ゲラゲラゲラと

お腹よじれて

寝る前にせがむとお伽話やら故郷の話をしてくれるのですが、演劇部かーいと思うくらいの

迫真の語りで笑えて眠れないんです。

いとこ達も今でも覚えてます。

鈴虫は

風流なはず

祖母の押し入れ

100匹鳴けば

やかましすぎて

祖母はなぜか？

鈴虫を大量に繁殖させていました。

押し入れには、どこかでもらったのか

水槽が何個もありました。

餌はスイカの皮とかでした。

共食いするんですね。

夜は大合唱でうるさいし、共食いされた残骸は怖いしで。

あと、タマゴも不気味。

祖母はお嫁さん達からは評判が悪かったです。

キツい、意地悪で泣かされたようです。

祖母は好き、嫌いがきっぱりしてて。

私の母の悪口は一度も言いませんでした。

孫は可愛がると言うか、いたずら好きでからかっては面白がるような無邪気な人でした。