第26話 7月7日

雨よ降れ

土砂降りになれ

約束

破りのやつら

逢瀬やらぬわ


とかく、織姫と彦星を哀れに思いがちですが

自分の役目も忘れたのは自分達なので、

反省!と言う意味です。笑笑。



雨けむり

瞳こらして

影を追う

せめて声だけ

耳をすまして


雨の降る中、諦めきれずに二人は

お互いを探すのでしょう。

あまけむりの中ではぼんやりと

姿が見えるような見えないような。

せめて、声だけでも聞きたいと思う、

せつない気持ちです。



笹舟を

作ろうとして

指をきる

痛み血滲む

僕を狂わせる


子供の頃、笹舟を作り近くの川に流しました。

ただ、ひとひきり。

それは儀式のようなものでした。


短冊に

願いをかいた

変わらない

やっぱりお腹

グゥグゥと泣く


願い方が叶いますように。

そんな気持ちを真剣に書いていた頃がありました。

ひとつも叶いませんでした。



天の川

僕を連れてけ

溺れたい

ぶくぶくぶくぶくと

醜くもがく


天の川は美しい。

ああ、あそこなら溺れてしまっても後悔はしない。

きっとそう。


こんな罰

たかが機織り

おもい罰

たかが牛飼い

愛しただけなのに


我を忘れるほど、誰かを恋焦がれる事は

そんなに悪い事なのでしょうか?

何年も何千年も何万年も、許されぬ程の

罪なのでしょうか?


笹船に

涙をひとつ

のせましょ

天の川へと

流しましょう


織姫の涙は彦星に届くでしょうか。

せめて、天の川がふたりを憐れんで

くれたらいいのに。














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