お前に、拒否権ねぇから
二階堂
我が高校が誇る、バスケ部のホープです。何度となく、試合やら大会を勝利に導いたとか。めんどいから、応援には行った事ないんですけどね。
体育会系らしく、180を超える長身。ちなみに、部内ではそこまで高い方でもないらしいですが。マジかよ、すげえなバスケ部員。
ハーフだかクォーターだか、ロシア人の血が入っていると言う端正な容貌。中学時代は、バスケの修行のためにロサンゼルスまで交換留学をしていたとか。おいおい、設定ブチ込みすぎやろ。
…とまぁ、竿役としては百点満点。実際、学内の連中からも告白されるのは日常茶飯事とか(※男子校です)。あぁ、竿で思い出しましたけどレオ君のレオ君もそれはそれはご立派に違いありません…。この辺りは、必要とあらば修学旅行の風呂場で確認しておきますね。
おっと、だいぶ人物紹介に尺を割いてしまいました。そろそろ、現実世界での罰ゲーム告白に戻らないと…。
嫌々ながらも(だけど、どこか満更でもなさそうに)クラスの片隅に歩いていったレオ君は、今日も一人で何かを読んでいる加藤くんに声をかけました。ってか、あれいつも何読んでるんでしょうね。オカルト情報誌の「○ー」かな。
「あ、あのさぁ。加藤君…だよね。新学期始まって、一言も話した事なかったね。その…。初対面で、何言い出すんだと思われそうだけど。実は二年生になって初めて君と会って、ひと目で恋に落ちたって言うか。その…。良かったら、オレと付き合ってくださいっ!」
おぉ。図体でかい割に、結構低姿勢だね!?もっとオラオラ系で、「オレと付き合えよ!お前に、拒否権ねぇから!」くらい言ってくれても良かったですけど。加藤くんも陰キャの性で押しに弱いので、「ひゃあぁ、ボクで良かったらぁ…」とか言い出したりして。そして、嘘から出たまことの言葉よろしくそのまま真実の愛情が芽生えるやつね。
まぁでも、ギャップがあってこれはこれで良かったと思います。さて、クラス全員が直視しないまでも固唾を飲んで見守っています。突然の告白を受けた、加藤くんの返答や如何に…?
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