今もまだあの時の夢の中で

@paruseon

第1話 リソウトゲンジツ

 売れていないことをネタにする芸人。

人が集まっていない路上ミュージシャン。

登録者数の全くいないyoutuber。


 なんであんなことをずっとしてるんだろうと思うことがある。

売れるのはほんの一部の人だけで、雲を掴むような話。


 俺ならまず「無理」が来る。


 なれるわけない、ましてや他人にその想いを公表するのが恥ずかしい。

だって笑わないか?友達が仕事を辞めてyoutuberになって、登録者数が50人くらいだったら。いや友達しか登録してないし、しかもその登録している友達もあれだろ、

お酒の場かなんかで、登録してねって直接言って登録してもらった、美容室の口コミみたいなもんだろ。断れないしあんなの、目の前で悪口書けないし、いいこと書くしかないし。


影でこうやって他人の人生をあーだこーだ言ってる自分が一番ダサいことはわかってる。居酒屋で上司や同僚の愚痴で盛り上がってる社会人を、昔はダサいと思っていたのに、結局変わらない。ここからもう人生は巻き返せない。ある程度の地位や、ある程度の人望。それはあるタイミングで決まる。そこを逃したらもう覆ることはない。でも、そのことに気づくのはそのタイミングではない。その分岐点となるタイミングから、10年ほど後、他人の成功を見てからしか気付けない。


俺だって一歩踏み出せていれば、あの日人生が変わったかもしれない。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る