61話 Legendary Fire Mother 起
―― 紅焔アグニス ――
Agnis Ch.紅焔アグニス
【告知もあるらしいわよ】 セッカちゃんとコラボだよ! 紅民たち全員集合! 【紅焔アグニス/蒼火セッカ】
3.2万人が視聴中 チャンネル登録者数 123万人
#紅焔ちゃん燃焼中 #蒼紅交わり菫色
¥5000:告知の日より幾星霜……待ちわびたぞ、紅焔アグニスと蒼火セッカ!
:待ちわびた兄さん早すぎwww
:兄さん、いつもスパチャしてるイメージだけど、お財布大丈夫なのかな
:コラボタグ、お嬢らしからぬセンスだ
:厨二病好きだし、必殺技叫びたいお年頃だし、オサレな言い回しが好きなんでしょ
:会話を想像するだけで楽しい
:二人コラボの二次創作に外れ無かったんだぞい
:陽キャの極みセッカちゃんと性格が太陽のお嬢。陽と陽で反発しあうなんて……いや無いわ。考えられんわ。
:どっちも陽キャだけど、遠慮も覚えていて案外良い子ムーブ見え隠れするのがお嬢、ブレーキぶっ壊れたままアクセル全開でコミュニケーションぶっ込んでくるのがセッカちゃん
:キャラかぶりしてるようで住み分け出来てる
:さー始まりましたぞ
¥1000:何度でも言う! 待ちわびたぞ!
:兄さん、蒼の友だろwwwwww
:うわっ、お嬢の顔、かつてないほど嬉しそう
「イッグニッショーーーンッ!!! 天高く燃ゆるは情熱の太陽! 照らすぜフューチャー! 滾るぜマグマ! YaーTaプロ1期生、紅焔アグニス現世に顕現! そしてー!」
「あの美少女は誰だー! 何者だー! ……そうか! セッカちゃんだーっ! てな感じでオイッス! GーState2期生
:うるせええええ!wwwwww
:二人とも声の圧たかすぎィ!
:マイク大丈夫かね
:何デシベル出てるんだ……余裕の100超えじゃないか?
:えーと、ライブハウス、カラオケ並か……
「おっと、うるさい言われてますね。どっちもちょっと音量下げますね」
「あーいいよいいよ。普段の音量抑えりゃヘーキだって」
「そうゆうもんですか」
:確かに叫ばなけりゃ適量ではあるかな
:叫ばれると辛いが、言うて雑談メインだろうし
:こっちで音量を調節すればよし
「さすが、
「てか、挨拶そんなくだりあったっけ?」
「セッカちゃんと合わせるために、ついさっき考えました」
「次回の配信で忘れるフラグだな。分かるよ」
:俺たちが言いたいことをセッカちゃんに言われちまったぃ
:半端な気遣いは身を亡ぼすぞww
:セッカちゃんは気にしないがな 絶対に気にしない
「うっし、そんじゃー始めますかー! で、何すんの紅焔嬢。だいたいコラボの相場って言ったらゲームだけど」
「GーStateの歴史をおさらいがてら、GSがどれだけ私に影響を与えたのか、私がどれだけセッカちゃんを好きなのか自分語りさせていただきます。セッカちゃんは何か思うところがあれば補足や感想を言ってほしいです」
「オッケー! ってか、まさか振り返りのコンテンツを他の箱でやられるとは思わなんだ」
「紅焔ちゃんがアイドルVtuberを目指すきっかけになったのは間違いなくGSですからね。そして最推しのひとりが目の前にいるんですよ。ゲームで茶を濁しながら喋るより、何かの話題でとことんおしゃべり尽くしたいじゃないですか」
「お前……チャレンジャーだな!」
:そーだよな、新人Vが先輩を誘うなら、普通はきっかけを作るようにゲームあたりに落ち着くよな
:初コラボ自分語りはマジでチャレンジャーだと思う 下手すりゃゲスト置いてけぼる
:おしゃべりーでフレンドライン激低なセッカちゃん相手だからこそ成り立つ配信
:おいおい、大丈夫かよ GSの歴史は割と闇も深いでぇ
:暗部はぼかすだろ 流石に
:両事務所監修しまくってるだろうな だからこそありがたいかも
:オンライン大百科で見る情報の羅列だけじゃなくて、お嬢とセッカちゃんの感想も聞けるってなれば価値はある
「それじゃあGーStateの歴史を紐解いていきましょう。
全てはここから始まった! 6年前、アイドルVtuber事務所「
「紅焔嬢の最推しの二人だな。原点にして頂点ってヤツだ」
「セッカちゃんも、紅焔ちゃんの中では頂点ですよ」
「ありがとな。でもセッカちゃんの中では二人とも頂点なんだよ。先輩だからってのも無いとは言わねえけど、やっぱり1期生あってのGSだ。ここばかりは譲れねー」
:セッカちゃんがヨイショやおべっかで言ってないのが分かるわ ガチリスペクト
:てぇてぇ
:アリアやアカルとは仲良いけど、先輩後輩って間柄は貫き通すって公言してるんだよな
:誰とでもフランクに接するセッカちゃんでも、先輩への尊敬は忘れない
:そうゆうとこ好き
:↑盟友
「紅焔ちゃんの歴史も、最初の最初は1期生から始まったんですよ」
「アカルのライブだよな。今から3年前のライブ『
「ふぁあああ!? 雑談配信で言った話題です! 見てくれてるんですね!」
「お嬢の配信、フツーにめちゃおもろいからできるだけ見てるぞ。メン限配信はよ」
「ほあっ! ほあああああっ! やべえ超嬉しいぃ! 燃え尽きるくらい頑張りますっ!」
「尽きるな尽きるな。そんなに喜ばれると、逆にこっちまで恥ずかしくなってきちまったじゃねえか」
:一気にタダの限界オタクと化した紅焔嬢w
:むしろよくぞ今まで我慢したwww
:推しに認知されて喜ばない奴がこの世にいると本気で思っているのか?
「フー、ふー、ふー……よし、落ち着いた。いつもの紅焔ちゃんに戻らせていただきました」
「ううん……いきなりスンッ、って戻られても、それはそれでやるせねーな」
「アリたんやセッカちゃんと絡む機会は絶対あるだろうと何度も脳内練習をしましたが、推しを前にして限界化は回避不可能でした。そこで紅焔ちゃんは秘策を編み出したのです」
「ほう」
「社長が仕事してる様子を想像するんですよ。あの人も紅焔ちゃんの推しですから」
「あー、なるほど……納得しかないわ」
:あ……
:すまんアカルん、俺も完全に腑に落ちてるよ
:リアルを目の当たりにして幻滅したパターンじゃねえかwww
:アカル親衛隊、誰もミリも擁護してねえwww
:GSメンバーから聞くアカルんの裏話、全部問題児エピソードしかねえもんw
:それでも信頼は勝ち取ってるところがアカルん
「セッカちゃんも迂闊にリアルをさらけ出せねーな……でも紅焔嬢とは会ってみたいんだよなー」
「え、あー、そのうちでお願いします」
「おん?」
「いや、会いたくないのではなくて。さすがにリアルで推しを前にしたら、平常心を保てるか心配なだけです」
「なるほ」
:社長で慣らしたんだからセッカちゃんも大丈夫なのでは?
:セッカちゃんの場合、Vとリアルがあまり変わらないって聞くから、社長とはまた捉え方が別になるんでねーの?
:フツーに顔晒したくないだけなんじゃ?
「先ほど紹介したアカルんのライブですが、実は紅焔ちゃんの誕生にたいへん大きく関わっております。私のこの姿なのですが……ぶっちゃけますと、アカルんの『紅蓮烈火』をモチーフにデザインを頼んでおります」
「紅蓮烈火の化身じゃねえか……自分が作った曲をモチーフにされると、なんか親になった気分だぜ」
¥1000:つまり……セッカちゃんがママってコトですかねぇ!
:新たな解釈
:姉御キャラでもある。末っ子要素もある。そこにママの概念もぶっ込むだと!?
:姉 末っ子 母……次は祖母だな!
:↑せめて娘にしろwww
:ママ……セッカママ……
「お、おい! コメントォ! そういう意味で言ってねーぞ!」
「でも紅焔ちゃん的には、どうしてもママ要素は持っちゃいますね。蒼火セッカがいなければ紅蓮烈火は無いし、紅蓮烈火が無ければ紅焔ちゃんはここにいないですから」
「照れるなー……んー……じゃあ、まあ……紅焔嬢は特別にママって呼んでも構わんぞ」
「あ、いえ。セッカちゃんの呼び方がしっくり来るので、この呼び名は貫き通させていただきたく」
「お前、そこはママって呼ぶ流れだろうが!? 恥じらい持ちながらさぁ!?」
:wwwwww
:普段いじられる側のお嬢がいじる側になって活き活きしちょるwww
:お嬢もアオトモだろうから、セッカちゃんを直にいじれてめちゃ楽しいんだろうなwww
「ちなみにですねー。『BLA´SE UP!』の紅蓮烈火はもう一人、とある人物の誕生に大きく関わっているんですよ」
「え?」
「ルルですね」
「え、マジ!? そんな話、アイツから聞いてねえ!」
「出会ったばかりの頃、Vtuberが何たるかを説明をする時に『BLA´SE UP!』の映像を見せたら、とても気に入ってくれまして。決め手となったのはライブで歌われたアカルんとアリたんの紅蓮烈火です。もしかしたら、あのライブが無かったらルルもデビューしていなかったかもしれないですね」
「ってコトは――」
「言うなれば二児のママでしょうか」
「よーし! ちょっとの間、コメントは見ないからなー!」
¥3000:だったらスパチャ読みの時、存分に見てもらおうかな! セッカちゃん二児の母おめでとう!
:コメントに「祝」のスタンプの嵐がwww
¥2500:落ち着けお前ら、ここはお嬢のチャンネルだぞwww
:親和性高すぎてどっちのチャンネルなのか混乱するwww
:お嬢、目覚めたばかりの団長にVtuberの説明したのかよwww
「でもよくよく考えれば団長はアリアとアカルのほうがダイレクトにママな関係だよな。セッカちゃんはあくまで紅蓮烈火の作曲担当しただけだから」
「あはは。ばれちまいましたか。本当はアリたんともご一緒して、このお話を聞いてもらいたかったんですけどね……」
「初回でアリアともコラボしようと考えてたのかよ……お嬢、心臓が鋼すぎやしないかい?」
「ルルには負けますよ」
「団長は緊張に強いんじゃなくて、緊張という概念が無いだけだ。同列に並べなくていいって」
:じっちゃんを前にして普段とほぼ変わらないんだから、団長はマジで誰が来ても団長のままなんだろうな……
:そういやふと思ったんだが、アリアって、団長や姫さんの話はちょくちょくするけど、お嬢の話は一切してないよね
:お嬢ってアリアから嫌われとるんか?
:スケジュールが合わないだけだろ
:でもお嬢の初配信の時、何を考えてたのか、まったく言わないんだよな。
:ずーっとぼーっとして動かなかったよな 何だったんだろ、あれ
「そう! 今コメントを打ってくれた君、それだよ! 紅焔ちゃんの初配信の時、アリたんがぼーっとしてたじゃないですか。アレの真相もこの機会に聞いておこうと思ってたんですよ。セッカちゃん、聞いてないですか?」
「知ってるけど教えるのは断固拒否する。本人の口から聞いてくれ」
「ええっ!」
「本人の許可取りもしてねーしな」
「紅焔ちゃん、実はけっこう気になってるんですよね。でもいつ実現できるかな……」
「しばらくの辛抱だと思うよ。アリアにはさっさと明かせって伝えておくよ。リスナーが杞憂してるけど、少なくとも間違いなく嫌われてないってことだけは伝えておく」
:あ(察し
:嫌われてないのに話題に出さないってことは……
¥1000:セッカちゃんのためにもこれ以上アリたんに関する議論は控えておくよ
:せやな。セッカちゃんがお口チャックした意味なくなるし
「ぬう、気になりすぎる……とりあえず、紅民のみんな。アリたんの配信で不用意に紅焔ちゃんのこと話題に出さないでね。アリたん困るかもしれないから。紅焔ちゃんとの約束だぞ」
:はーい
:やっぱお嬢ええ子や……自分が一番聞きたいだろうに
「さてさて、だいーぶ脱線しちゃったなー。せっかく資料も用意したのに、紅焔ちゃんの自分語りばっかりしちまったい。引き続きGS1期生の歴史を振り返っていこう!」
:と言っても、残りのメンバーはぼかしての紹介だろうから、そこまでガッツリは紹介できないか
:アカルとアリアをじっくり解説か
:結局お嬢の推しの詳細解説になっちまってるw
:お嬢とセッカちゃんのトークが楽しいから、テーマがそこまで目新しくなくても延々と聞いてられる
:この調子だと、2期生の紹介は割と早いかな
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