君の手料理が食べたいんだ

勝利だギューちゃん

第1話

「ねえ、今夜何が食べたい?」

妻が声をかけてきた。


「言ったら何でも作ってくれるの?」

そう、返事をした。


「私に出来るものなら、何でも作るよ」

お決まりの答えがかえってくる。


「君の手料理が食べたい」

ぶっきらぼうに、返しておく。


「いつも、作っているじゃない」

怒りながら言ってきた。


「レトルトやスーパーのお惣菜は、手料理とは言わない」

負けじと言い返す。


「気づいてた?」

悪びれもせず、笑ってくる。


そして、俺は最後にこう答えた。


「俺が独身の頃、毎日食べていたからね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

君の手料理が食べたいんだ 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る