寝取りたい者と寝取られたくない者
そうやがじゃんけんで負け、所要で居なくなった浅木姉妹の家では異様な空気に包まれていた。
「お姉ちゃん……いい加減…諦めて」
そう、姉妹喧嘩が勃発しようとしていたのだ。氷華の服装は昨日と同じであり、デートマウントで優位に立っているのは氷華である。
「ん〜、結婚するまでがゴールインよぉ?
そうや君が心変わりするかもしれないじゃない」
雪華も雪華で、負けじと応戦する。
そして違和感を感じた雪華は、氷華を見直す。超小型カメラを発見し意図に気付く…『ついにこの時が来たか』と。
雪華がとれる行動は―
―無難に隙を与えない
―指摘し、マウントをとる
2つに一つだ。
そして彼女が取ったのは―
「まず…年増は、お断り」
「まだピチピチの21歳なんだけどなぁ〜
氷華ちゃんも仲間入りが近いわねぇ」
―無難に隙を与えないだった。
「むっ、私の彼氏、だから…姉さんの、部屋…そうやに…見せる?」
雪華、氷華の部屋には隠し部屋が存在し、そこで姉妹揃ってそうやのストーキングで得たグッズをコレクションしていたのである。誰にもバレないように。(お互いに知っているのだが)
前回そうやが見た氷華の部屋は、入りきらなかった在庫を飾っていただけで、隠し部屋はもっとヤバイものでいっぱいなのである。(姉も同じく)
「っ!…なんで氷華ちゃんが知っているのかしらぁ。鍵もかけてたのにねぇ?貴方の部屋もそうや君に見せるわよぉ?」
「もう、見られた…引かれなかった」
「あらあら、お姉ちゃんの前だからって嘘をつかなくてもいいのよ?お姉ちゃんが氷華ちゃんの部屋を見た時は流石に引いたもの」
氷華が集めている物は、そうやの裸体(写真)や、日常の姿など、異常なまでのストーキングの産物(写真、動画)なのである。
正直言って、美少女でなければ『お巡りさんココです!』と呼ばれても仕方のないれっきとした犯罪者なのである。
「私は、普通……お姉ちゃんの方が、キモかった」
「ただの、もの集めしただけの部屋じゃない
氷華みたいに盗撮しているわけじゃないんだから」
雪華の隠し部屋にはゴミと言っても過言ではないものが集められている。そうやの幼少期のパンツ、遊ばなくなって捨てられた玩具(そうやの)、ゴミ袋の内容物(そうやの全般)などだ。
こちらも警察沙汰になってもオカシクない犯罪者予備軍なのである。
「こっちは、減らない…けど…姉さんのは、そうやを、困らせる」
「あらあら、私が拝借してきたパンツで発散していた氷華が言えることかしら?伸ばし過ぎと、染みで新品買わないといけなくなって私が出したの覚えてないのかしらねぇ」
「私の、お蔭で新品になった……恥じたり、後悔してない……年増しは、自重して」
三度にも及ぶ『年増し』発言に大人な対応?自重?をしていた雪華が遂にキレた。大人として一人の犯罪予備軍として……
「うるさいわねぇ、お父さんとお母さんから貴方に留学の話が来ているんだけど…私の裁量に任されてるのよねぇ?2年間ドイツらしいわよ。どうしたい?彼氏とも会えず一人寂しく国際交流なんて夢が広がるわねぇ?」
「っ!…卑怯、鬼畜、外道、年増し……」
「何とでも言えばいいわぁ。氷華に言わずに拒否してあげようと思ってたのに…ねえ?」
四度目にも及ぶ『年増し』発言に雪華の目はガチになり、まさに世界の半分を分け与えると言った魔王の如く脅しにかかった。
「……、何を…すればいいの」
「そうねぇ、別れて欲しいケド無理よねぇ。
なら私にそうや君を貸してくれないかしらぁ?
2年間離れ離れか、ちょっとだけそうや君と会えないだけ。考えるまでもないわよねぇ?」
雪華がまるで悪魔のように耳元で色っぽく囁く。まるで答えが分かっているかのように確信に満ちた声音で。
「……分かった、……でも、条件…つけるけど」
「ふふ、いいわよ。でもそうや君の方からならお咎め無しでお願いね」
「……わかっ…た」
「今週末までに決めておいてねぇ。じゃないとお姉ちゃんが食べちゃうぞ♪……あ、そろそろ時間ね
お姉ちゃん、仕事に戻るわ。うふふ」
雪華は満足と言わんばかりのスキップをしながら
氷華の取り残された家から出ていくのであった。
残った氷華といえば、焦燥と安堵に気疲れで床にヘタリこんでいた。
そう、完璧主義者の氷華からすると想定外のことであったのだ。最早、元カノ+雪華を敵に回してしまった結果になったのだから。
―だが彼女に妥協の文字はない心にあるのは…
「……絶対、勝つ」
―その言葉だけだった。
そして再決心した氷華は、1から精密な計画を立て直していくのであった。超小型カメラに気付いていないフリをしながら粗悪的に……。
そして、敵対する対象がもっと多いとを知らないまま女達は策を巡らすのであった。尚、一人の女は余裕釈然と時間を進めるのであった。
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……さて今回のキーワードはドイツ!貴方ならこの謎どう解読できる?
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