30歳になったら死んでやる

@Gryouu

プロローグ

ピューーーーー、パンっ!

破裂音が響いて辺りに焦げた匂いが立ち込める。


「おー!めっちゃ飛んだな今の!」


誰かが喋っている。

なぜだかとても懐かしい感じの声だ。

俺は今何してるんだっけ!


「次お前の番な!」


思い出した俺は今友達とロケット花火の飛距離を競ってるんだった。


「見とけよ!俺が1番遠くまで飛ばしてやる!」


鉄パイプの中にロケット花火を置く。

角度をつけて火をつける。

シュッ、と勢いよく鉄パイプから発射される。


…パァン




こんな日常がずっと続くと思ってた。

大人になったら夢とか叶えて、暖かい家庭を築いて当たり前の日常に幸せを感じながら生きていくのだと信じて疑わなかった。



この時の俺はまだ知らなかったんだ

人らしく生きるのが

普通に生きるのが

こんなにも難しい事だったなんて

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