そして扉が開く(第3回 お題「おくる」)
送られてきた密書は、やはり「帰参して報告するように」との指令だった。
潜入の目的、この組織の主についての情報は得られたのだから、当然だ。
待ちに待った瞬間のはずだが、私は溜息をついた。
服を脱ぎ、畳んでいた翼を広げようとするが、綺麗に広がらない。隠している時間が長すぎて、翼の骨が広げ方を忘れつつあるのだ。そして、翼全体を包んでいた純白の羽も、ほうぼうが抜けて隙間だらけになっている。
こんなみずぼらしい姿の私を、天使達は同僚と認めて連れて帰ってくれるのだろうか。
合図の旋律を刻んで、部屋のドアがノックされる。
迎えが来たというのに、私は恐怖の叫びを上げた。
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