死にゆく世界の歪みより
幻楽
はじめに
私は今からできるだけ濃い文字で、できるだけ長持ちするであろう紙にこれを記す。書き残しておく必要があるからだ。これは私のエゴではない。起きたこと見たことを書き残しておくことは、誰かにとって重要になると考えたからだ。私には事態に対処するだけの時間も力もなかった。だから私は、これを読んだ誰かが世界のために動いてくれること、あるいは世界に何が起きたのかを知ることを願ってこれを記す。
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