芸術が爆発なら恋愛は...

乾禄佳

第1話 イベント開始

自身の眼が養われるともっぱらの噂である婚活イベントに参加した立花たちばな 亜依あい


 会場に着くと時計と指輪を一つずつ渡され中に通された。中に入るとイベントの参加者が大勢いた。テーブルを囲む様に各々が話をしていてとても賑やかな雰囲気である。

開始予定時刻は13:00今は、その5分前という事もあり各々自由に過ごし開始を待っていた。


 開始時刻になると急に証明がおち、ステージにピエロの着ぐるみが現れた。


「お集りの皆さんこんにちは。そして、さようなら。お渡しした時計つけてくれてますか?」


 皆が腕を確認し付けていなかったものは急いで腕に身に着けた


「優秀ですねー。全員身に着けてくれるなんて。では、その時計と指輪が何なのかご説明します。まず


    その時計は、爆弾です。」


 ピエロが言った一言に会場は騒然。外そうとする人やパニックを座りこむ人など辺りは混沌とかした。


「あー。時計は外すとドカンといくので外さないでね~。これから解除方法をお教えるから」


 解除方法を教えると言うピエロだが会場では悲鳴が上がっていてピエロの声はかき消される勢いだった。参加者の中にはピエロの助言を聞かずに時計を無理やり外そうとしているものもいる。

 亜依も外そうと試みたがなぜか全然外れる気配がなく取り外すことを諦めた。着ける時は簡単に着いたはずなのに


「ホントにドカンといきますから外さないでねー」

「こんなイベントで本物の爆弾があるわけねぇーだろ!!!ペテン師!!」


 そう声を上げた男性はあの外れにくい時計を無理やり腕から外す。すると、その瞬間大きな音を立てたと同時に男性も倒れた。


「あぁ~あ。だから言ったのに...。この通り無理やり取り外すと大きな音をたてて装着者には電気ショックで気絶してもらう仕組みになってるから絶対に無理やり外さないでね~」

「「「「キャー!!!」」」」


 抜けたピエロの声と反して悲鳴が各所で上がり会場はパニックに陥った。


「落ち着いてくださーい。聞かないと全員倒れちゃいますよ?僕は別にいいけどね~」


 全員倒れるという言葉が効いたのか辺りは静寂を取り戻した。


「じゃあ、説明いってみよー!このイベントが婚活っていう事忘れてないよね?参加前に診断テストを受けたと思うけどその結果は伝えられてるだろ?その結果をもとに理想の相手を見つけるゲーム


理想の相手から指輪を貰って薬指に付ければ爆弾解除成功、もし理想の相手じゃない相手から指輪を貰えばその場でドカン


ね?簡単でしょ?」


 軽快に解除方法を告げるピエロだが、参加者たちは不安そうな顔をしていた。それもそのはず、誰が自身の条件にあう人なのか分からないからだ。

辺りをきょろきょろと皆が振り返り顔色をうかがっているが、動揺の度合いは違えど全員が動揺している会場内で理想の相手を見つける事は容易ではない


「どうやって理想の相手を見つけろって言うのよ!!第一その人が他の人に指輪を渡してしまったらどうするのよ!!」

「安心してね~。理想の相手は必ず3人以上いる様に参加者を決めてるから一人が駄目でもチャンスは平等に与えられてるよ」


 女性が上げた質問に少しの安堵感が流れた。


「大事な事を言い忘れていたけど、指輪は交換する必要はないよ。渡した相手が自身の理想の相手とは限らないからね。まぁ、これで同時に交換して解除出来れば運命的な出会いだね」


 ピエロの一言で冷静さを取り戻した人々が近くにいる異性に一斉に話しかけ始め理想の相手を探し始める。ある人は素直に条件を伝え、またある人は探りを入れ条件に合うものを探した。


「私の条件に合う人って...。」


 そう言って亜依は持っていた用紙を見て確認した。


あなたの理想の相手は...冷静沈着。優しくも厳しい人。安心させるような話し方で怒鳴らなず静かに叱る人


多く書かれている情報を頼りに冷静そうな人を探す。亜依。しかし、場の混乱が少し収まって来ている中で冷静そうな人を探してみるがもう既に何人かは話を初めている状態


「こんにちは。理想の相手は見つけましたか?」

「いいえ。お恥ずかしながらまだ話すらできてないです...」

「じゃあ、僕と話しませんか?僕、末永すえなが博人ひろとです」

「あ、立花亜依です...。理想の相手なんて正直どうしたらいいのか迷ってます...」


 亜依は緊張の所為かおどおどしたように口元を隠しながら話している。逆に末永はいたって冷静で緊張している亜依の言葉を遮ることなくゆっくり会話をしている。


「あのピエロは時間制限の話はしてなかったのでゆっくりで大丈夫ですよ」

「あ、そう。ですね...。急な話で緊張してしまって...」

「僕の理想は、三歩後ろを歩くような気づかいが出来る人なんですがどうですか?」


 亜依はその言葉を聞いて自分は違うと言うと男は手のひらを返した様にあっそと吐き捨て去って行った。


 現在の状況は数人がすでに指輪の交換をしてうち1組が理想の相手と出会い二人で会場を後にし、残りはの人々は電撃を喰らって床に倒れていた

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