第7話 空き瓶
「まずは…」
(空き瓶を集めるか)
これから挑むことになる広場前の中ボス”巨腕のゴネス”は、その名の通り巨大化した両腕を武器に戦うゴリラの様な見た目をした鼠の怪物だ。
ゴネスは一撃が重いパワータイプでありながら出が早い突進技も所持しており、こちらのガードを無視して喰らいついてくる所謂掴み系の攻撃に至っては毒の状態異常まで付与してくる厄介な相手だ。
ソルドーもとい俺は岩竜人族の特性として毒の部類は受け付けないが、現段階でゴネスとまともにやり合うには荷が重い。
(ステータス的にはいけるだろうが…)
問題なのは俺の武器がステータス補正が殆ど掛からない祭具であるということだ。
ソルドーが序盤に所持している白鱗岩の手斧と白鱗岩の大斧はどちらも竜人族が祭りの際に用いる祭具だとゲーム内では説明されており、何を思ってソルドーがこの武器を旅の共に選んだのかいまだに謎である。
(ユーザーの間では縛りプレイだと言われてたくらいだしな)
つまり、まともな武器を入手するまで俺は圧倒的火力不足なのだ。
ゴネスのモーションを知り尽くし毒を無効化出来たとしても、今の火力でまともにやり合えば長期戦は避けられない。
(戦いが長期化することでミスが重なれば敗北すらありえる…)
「悪いが、今回はギミックに頼らせてもらうぞ」
拾い集めた空き瓶を宙箱に収納し、俺はゴネスが待つ広場前の酒倉に向かった。
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