第6話

あれから数日、僕は気付いたことがある。もし、自分が辛い境遇にいるとして、それがパーソナルなことだったとして、例え友人であっても、その問題には踏み入って欲しくないと考える人もいるだろう。僕は鼎先輩との会話で生まれた嫌悪感でそれに気付けた。それを活かすときだ、、、!

輝良姉弟と口論になってからほぼ2週間後、僕は1人の人間として、1人の友人として、彼らと正面から向き合っていた。

「なんだよ、話って」と照は少し不機嫌そうに言う。

「君たちに謝りたいんだ。誰だって入って欲しくない領域はある。話題がある。それは僕も同じだって気付いたんだ。だから、、、」

「烈火、もういいわ、それ以上言わないで、、、」

なんだろう、また怒らせてしまったか、、、?

(いや、多分これは、、、)

「烈火、震えてるじゃねえか、それだけ俺たちのことを考えてくれてたってことか、、、」

「烈火、私たちの方こそごめん、ちゃんと説明しないまま言葉を強くしてしまって、、、」

「そうだな、姉ちゃん、烈火になら言ってもいいんじゃねえか?」

「そうね、もうこんな事隠さなくてもいいよね?」

なんだか2人で話が進んでいるが、、、

「実はな、俺たちの父親は某有名人でな。俺たちはその隠し子なんだ」

「だから、私たちを捨てた父親のことをよく思ってないの。その問題に触れられたから、あの時、ちょっとカチンと来たのかも知れないわね、、、」

なるほど、納得がいった。

「だから、な。俺たちも悪かったよ。あんな態度とって済まなかった、このとおりだ!」

照は頭を下げてきた。

「いいよ、僕の方こそごめん。だから、また友達として一緒にいられないかな?」

僕の問いに彼らは、

「もちろん!」

「OK!」

と返してきた。それからというもの、僕は光と照と、より親密になっていくのだった。

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