同志桃太郎!
あたまあめ
同志桃太郎!
第一章 桃太郎の誕生
第一章 桃太郎の誕生 1
むかしむかし、ある所におじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山へしば刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃が流れてきました。
おばあさんは、驚きながらその大きな桃を拾い上げました。
「なんと大きくて美味しそうな桃だ。はやく家に戻って、おじいさんとふたりで食べることにしましょう」
おばあさんは、にこにこ笑いながら桃を背中に担いで家に帰りました。
山から戻ってきたおじいさんも大喜びです。
「なんて立派な桃だ」
その桃を切ろうとした時です。なんと桃から大きな赤ん坊が出てきたのです。
「おっと、たまげた」
ふたりは驚いたけれども子どもがほしいと思っていたので、とても喜びました。
おじいさんとおばあさんは、桃から生まれた男の子に、桃太郎と名前を付けました。
桃太郎は心優しくて、いつもおじいさんやおばあさんを気づかっていました。
ある日、桃太郎が二十くらいの立派な若者になったころ、ふたりに言いました。
「鬼ヶ島に悪い鬼が住んでいると聞きました」
「遠い所の村で鬼たちが乱暴をはたらいたり、物を奪ったりしているという噂をわしも聞いたよ」
「それでは私が行って、鬼を退治してこようと思います」
桃太郎ならきっと鬼退治が出来ると、ふたりはこころよく承諾しました。
「旅の途中の食べ物に、きび団子を作ってあげよう」
おばあさんはそう言って、とてもおいしいきび団子を作りました。
桃太郎は鎧を着て、腰に刀を差しました。
桃太郎はきび団子を入れた袋を腰に付け、鬼ヶ島に向けて旅立ちます。
「それでは、いってまいります」
桃太郎は元気に手を降ります。
「気をつけてな」
おじいさんとおばあさんは、手をふって、桃太郎を見送りました。
桃太郎が山を超えると一人の若者に会いました。
名前は犬助と言いました。
「桃太郎さん、どちらにお出掛けですか」
「鬼ヶ島に、鬼退治に」
「お腰に付けたのは、何ですか」
「とてもおいしいきび団子だよ」
「僕に一つくれれば、お供します」
きび団子をもらって、犬助は桃太郎のお供になりました。
桃太郎と犬助が山を超えると、一人の若者がやってきました。
名前は猿彦と言いました。
「桃太郎さん、どちらにお出掛けですか」
「鬼ヶ島に、鬼退治に」
「袋の中に何が入っているんだい」
「とてもおいしいきび団子だよ」
「俺に一つくれれば、お供します」
猿彦も犬助と同じように、桃太郎からきび団子をもらって、お供をすることになりました。
桃太郎と犬助と猿彦でしばらく歩き山を超えたころ、一人の若者がきました。
名前はキジ尾と言いました。
「桃太郎さん、どちらにお出掛けですか」
「鬼ヶ島に、鬼退治に」
「お腰に付けたのは、何ですか」
「とてもおいしいきび団子だよ」
「僕に一つくれれば、お供します」
キジ尾も桃太郎からきび団子をもらいお供をすることになりました。
しばらく行くと遠方に鬼ヶ島が見えてきました。
「あれが鬼ヶ島に違いない」
鬼ヶ島は大きな孤島として、大海原にぽつんと浮かんでおりました。
桃太郎たちが見下ろす遠方には、海沿いに面した大きな村があるのも分かりました。
「あそこの村に行き、人々にまずは話を聞いて見よう」
桃太郎は犬助、猿彦、キジ尾たちにそう言うと村へと向かいました。
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