幕間2 イフリート公とベイスターン王子

「どういうことだ?」


 ベイスターン王子と、フローレンス・イフリート公女は、イフリート公に怒鳴られていた。


「セイレーンの反乱の事を何故知っている事を言ったのだ。」

「いえ、申し訳ございません。」


 ベイスターン王子は、所謂土下座状態だ。


「しかも、婚約破棄を告げただと、お主は、不義を行っていたと、公然と言ったようなものだぞ。」

「なんと、私はそんな・・・・。」

「そうですお父様、私達はまだ・・・。」


 と言いつつ、フローレンスは頬を赤らめた。


「フローレンス、焦るなと言っただろう。手続きをしっかり踏まぬと・・・。」

「ですから、私から婚約破棄を。」

「そうですわよ、ベイスターン様は、私の為に・・・」

「だから、その為にあれこれ・・・・」

「ですが・・・・」


 と、フローレンス公女とベイスターン王子が、イフリート公に楯突き、お説教をする、その繰り返しで、お互いに疲れ切った頃、


「で、セイレーンの小娘は、何を・・・。」

「アリアからは、持参金10億の返金と、賠償金10億と・・・・」

「そうなるよな・・・・。」


 イフリート公が頭を抱えると


「そんなの払う必要ないですわよ」

「そうです・・・・。」


 と、無意味に、フローレンス公女とベイスターン王子が、支払いを否定すると


「馬鹿ども、秘密裏に進めれば、どうにでもなったが、公然と婚約破棄を告げれば、セイレーンも引くに引けないだろう。支払わざるを得ない・・・。私が代払いするから、ベイスターン王子、貿易で得た金で返してもらうぞ・・・。」

「イフリート公・・・。」

「良いな・・・・。」

「それと、このままでは私の顔が潰れる。捕まっているであろう貴族を賠償金を払って引き取ろう。形は、賠償金でなく、婚約破棄の慰謝料の上乗せにしておけば、私が強引に押し通した形となり顔が立つであろう。」

「はい・・・。」

「その分も載せるが構わんな・・・。」

「はい、イフリート公・・・・。」


 そう言うと、イフリート公は部屋を出ていき、正座している二人は、泣きそうな顔で見つめ合っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る