第3話 アクア第一迷宮
次の日の朝、リュックを背負って、事務所に伺うとハーラウェイさんが、準備運動をしていた。
「シーラモノト、ローデックスよろしくな、そんなにかからないと思うが。」
「「はぃ」」
僕を見かけて、ハーラウェイさんが大きな声をかけてきた
「あっ、アレックスさん、おはようございます。」
「ハーラウェイさん、おはようございます。」
「すぐ出られるよ。」
「ありがとうございます。」
「シーラモノト、ローデックスよろしくな。」
「「はい。」」
僕は、門を出て、アクア第一迷宮に向かった、アクア第一迷宮は、門から15分のところにある。
「ハーラウェイさん。この街冒険者少なすぎません。」
「そうだよな。でも偶に冒険者を見かけるんだ。あのマークは、ブラックタイガー系のマークだと思う。」
「ブラックタイガー系?」
「あぁ、アレックスさんはご存知ないか、ブラックタイガーとその傘下のクランは、必ず黒いタイガーの絵が入っている。ブラックタイガーは、黒いタイガーの正面、一次クランは、斜めの顔、二次クラン以降は横顔だ。白い薔薇団は薔薇の印が入っている。所で、アクアのマークはどんなのかな?」
「マーク?まだ作ってません。4人しかおらず、実働1人ですから。」
「実働1人か、御用商会は?」
「クラン長の実家の商会です。」
「そうか、大変だな。」
僕が、単にアリア様の同級生で使い勝手のいい現地職員として雇われたと勘違いしたんだろう。可愛そうな人を見る目で見てくれている。
「でだ、妻から君について行くと言ったら、調べてこいと言われた。妻は、ボボッガ代理の姪で、ドボルベード代官に調査を頼まれたと言っている。何を伝えておけば良い?」
「ボボッガ代理と、ドボルベード代官ってどんな方ですか?」
「ボボッガ代理は、生真面目な官僚って印象の男だ。真面目だが、頭は良くない。一応ベイノールド子爵の弟で、コネでこの地位に着いたと言われている。ドボルベード代官は、叩き上げの平民だ。公爵領の官僚として勤めてきたが、最後のお勤めとしてこの地の代官になったらしい。ご高齢で、俺はお会いしたことはない。」
「そうです、不思議ですね。」
「何が、」
「ボボッガ代理が何故代理になり、ドボルベード代官が何故出て来ないのか?平民に貴族が席を取られて、代理にさせられるとことも、それで働かない平民を、働かない事を理由に排斥しないことも。」
「そうか。」
ハーラウェイさんは、僕を見て試すような言い方で質問をしてきた。
「で、どうしてだと思う?」
「わかりませんが、ボボッガさんが悪いことをして、ドボルベード代官をスケープゴートにしているか、ドボルベード代官の裏に貴族がいて、ボボッガさんの弱みを握って、表をボボッガさんのせいにてスケープゴートにしているかですか?」
「そうか、仮にそうだとした場合、俺は?」
「ボボッガさんの監視役か、公爵家の諜報員か。」
ハーラウェイさんは、悪だくみをするような表情を浮かべた。
「でだ、俺はどっちだと思う?」
「いや、監視役ではないでしょうね。」
「何でかな?」
「もしそうなら、僕殺されているでしょう?」
「確かに、」
ハーラウェイさんは、納得した様な顔をしつつ
「では、公爵家の?」
「それも無いですね。もしそうなら、アリア様や、アリシア様から聞いているはずです。」
「そうか、じゃあ」
「僕の予想は間違っていますね。」
「「わはははは。」」
二人で笑い、その後、街の商品の品ぞろえについて話していると、迷宮の入口が見えてきた。
「あそこが入口だ。」
「ありがとうございます。監視小屋もないんですね。」
「昔はあったが取り壊したそうだ。多分誰も潜っていないと思うが、気をつけていけ。」
「はい。そうだ、僕のことですが、お金を使い過ぎて凹んでたと言っておいてください。あと、迷宮に5日ほど潜ると。」
「だから、このリュックか。」
「はい。」
「じゃあな。」
ハーラウェイは、去っていった。
僕は、地図を確認し、迷宮に入った。この迷宮は、24階層まで攻略された地図がある。そこには、モンスタールームや、ボス部屋等細かく書いてあった。とりあえず、召喚せず、一体見つけてたおしてみることにした。ここに出るのはゴーレム。一階はミニサンドゴーレムだ。
ドスン、ドスン
前から、砂で出来た人型のモンスターが現れた。ドスンドスンと、ゆっくり襲ってくる。目には活力が無く、砂を垂らしながらゆっくりゆっくりと向かってくる。一月前の僕なら焦ったかもしれないが、今の僕には余裕があった。後2メートルまで近寄ると、右手を振りかぶった。その瞬間、僕は新しくしつらえた鋼の剣で、ミニサンドゴーレムを袈裟斬りで、一刀両断に切り裂いた。
「楽勝。でも、気合入れていかないと、足下救われるなぁ。とりあえずドロップは?」
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ノーマル ガラス1キロ
レア 魔石 レベル1
スーパーレア 土の魔石 レベル10
サモン ミニサンドゴーレム レベル1
スキル 腕力のきのみ 1粒
アイテム 悪魔の心臓 レベル1
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ガラスと魔石が逆になっているのか。微妙だな。悪魔の心臓はゴーレム等魔導具製造の主要素材だから高く売れるだろうな。
そうな事を考えつつ、みんなを召喚した。
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角獣族 一角ウサギ レベル182 うさ吉
スライム族 キングスライム レベル190 スラ吉
家畜族 プチカウ レベル184 ウシ吉
ゴブリン族 ゴブリンキング レベル189 ゴブ吉
死霊族 キングスケルトン レベル192 ホネ吉
両性類型 デスブロック レベル44 ゲロ吉
狼系 銀狼 レベル45 ロウ吉
コボルト系 キングコボルト レベル32 コボ吉
豚人系 キングオーク レベル45 ブタ吉
鬼系 レッドオーガ レベル42 オニ吉
牛人系 ブラックミノタウルス レベル45 ミノ吉
竜系 グリーンドラゴン レベル26 ドラ吉
飛龍系 ワインパーン レベル11 ワイ吉
キメラ系 ハイグリフォン レベル5 グリ吉
植物人系 ラフレシア レベル18 ハナ吉
犬族 狛犬 レベル7 ポチ
猫族 招き猫 レベル4 タマ
アリ族 アイアンアント レベル8 アリ吉
リザード系 ロックリザード レベル20 リザ吉
ゴーレム系 ミニサンドゴーレム レベル1 ゴレ吉
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「じゃ、レベル別にチームに分かれて、探索アンド殲滅作業。ボス部屋は、召喚獣さん達だけでは入れないから11階以下は行けないので、余裕のチームは、モンスタールームで、殲滅活動をするか、7階にある12階に飛ぶトラップにハマって20階まで攻略しておくように。4日後に戻ってくるから。グリ吉行くぞ。」
そう言って、僕はグリ吉に乗り、空路セイレーンに飛んで行った。
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