第14話 元イチオシ社女子達のお茶会1
今日はオーレル侯爵家でのお茶会。
お兄様セレクトのドレスを着た。
「素敵ね~。流石お兄様だわ。センスが良いわ!」
「メリアーナ様!とてもお似合いです!」
ロジーを筆頭に綺麗にセットしてくれたメイドさん達にもみんな誉めてくれた。
15歳らしい、リボンや繊細なレースが華美過ぎずに飾られた薄いブルーのドレス。
メリアーナの髪色や瞳の色、肌の色にも馴染んでいる。
鏡の前でクルリと回ってみる。
こうして見るとやっぱりメリアーナはお嬢様なのね。
あのキラキラ遺伝子も引き継いでいるし、オーラもキラキラしている。
佇まいとか仕草や食事のマナーも綺麗。
前世の記憶を思い出して性格は芽衣寄りになっちゃったけど、お互いの不得意な部分を上手く補えている。
芽衣はメリアーナの人見知りをカバーしていくわ!!
ドアを叩く音がしてお兄様が来た。
「メリア!なんて似合っているんだ!私の天使!」
ギュッと抱きしめてくれた。
美しいお兄様の抱擁をいただきました!
「こんな素敵なドレス、本当にありがとうございました」
私もお兄様にギュッと抱きつく。
お兄様が嬉しそうに微笑んでくれた。
* * * * *
オーレル侯爵家に着いた。
これまた立派なお庭に大きくてお洒落なお屋敷!
早苗様こと、サナエラ様の所へ案内してくれた。
メイドさん達が香りの良いお茶や可愛いらしくて美味しそうなお菓子を並べて部屋から出た。
「では…」
早苗様が立ち上がりコホンと喉を整える。
「お疲れ様です!!」
「お疲れ様です!!」
私と里英ちゃんも立ち上がり、今日は30度で敬礼。
「イチオシ社、社訓その1!」
「お客様への誠実さ、そして常に笑顔と…」
「お客様への誠実さ、そして常に笑顔と…」
「お客様への誠実さ、そして常に笑顔と…」
そしてそれぞれ何事もなかったかの如く着席する。
「さて、人払いもしております。何でも話して大丈夫ですよ」
「はい!イチオシ堂の大福がめちゃくちゃ食べたいです!」
「芽衣ったらいきなり何それ?」
里英ちゃんがあきれた顔をする。
「前田さんと横山さんはイチオシ社の1階にある『和菓子 イチオシ堂』の店舗にいたものね。大福は看板商品だったものね」
「本当に!小豆の風味が良くて美味しかったですよね!私はつい最近前世を思い出したのですが、田口さんと再会して更にイチオシ社の事を考えてたからか、イチオシ堂の大福が食べたくて食べたくて!大福の形をしたイッチくんマスコットも作っちゃいました!」
「ああ、鞄につけていたわね」
里英ちゃんがお茶の香りを楽しんでから飲んでいる。
「私のオリジナルキャラ!覚えていてくれた?」
「そういえばあのマスコット、休憩室でみんなにも見せてくれたこと事があったわよね?」
「はい!1階がイチオシ堂の店舗と和菓子の作業場、2階が田口さん達がいらっしゃった事務所にみんなの休憩室、3階が社長室、会議室でしたよね」
「そうね」
「休憩室でみんなに見てもらってたら宮本専務も来てて、イッチくんマスコットを見て『可愛いね。うちの大福も喜ぶよ』なんて笑って言ってくれました」
勝手にマスコットキャラ作っちゃったから怒られるかと思ったんだけどね。
「宮本専務とは休憩時間が同じになる時も多くてよく話をしました。私が学生時代は剣道部だった話をしたら、専務は柔道部だったよって」
「ああー、専務ね」
里英ちゃんと早苗様が顔を見合わせる。
「そういえば繁忙期でお店が忙しくて帰りが遅くなった時に、宮本専務が家の前まで送ってくれた事があったなー。お店を出る時に何故かみんなにニヤニヤされたような?」
「あー、それは…」
「その帰り道で私のバッグが後ろから走って来たヤツに引ったくられて、宮本専務が追いかけて取り返してくれた事があったの!その時背負い投げしたのよ!格好良かったわ!」
思い出すわー!
里英ちゃんと早苗様がまた顔を合わせる。
「もう時効?ですよね。実は宮本専務は芽衣の事が好きだったのよ」
里英ちゃんの爆弾発言。
「ええ!?グッ…ゴホッ!」
食べていたお菓子が喉に詰まりそうになり、口元をハンカチでおさえた。
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