神の祝福

香崎 莉愛

神の祝福

ありがとう、私に恋を教えてくれて。

ありがとう、私に愛を教えてくれて。

君はあの日言ってくれた。

「君が苦しむ必要は無いよ。」

君は私が辛い時も悲しい時も嬉しい時もそばにいて欲しい時もいつだって、私のそばにいてくれた。

でも、私はそんな君の優しさに気づけなかった

甘えてしまった、当たり前だと思ってしまった。

その日常がどれだけ大切なものか失った後に気づいたんだ。

君と交わした馬鹿みたいな約束も果たせなかった。

君がいった冗談みたいな言葉がずっと私の頭の中に残ってる。

「そんなに彼氏欲しいなら俺にしとく?」

そういって意地悪く笑った君はもう私の隣にはいない。

私は君を選びきれなかった。あの日、イエスと頷けば2人の道は変わったかな。

今更後悔しても仕方ないことだってわかってる。

それでも、こんなこと思うのは、きっと私はいまだに君のことが…

ううん、でも、こんなこと考えたって無駄なことはわかってる。

1度は交わったはずの2人の想いはもう交わることは無いんだ。

祝福の鐘がなる。

白いドレスを身にまとった少しあどけなさの残る彼女が赤い絨毯の上を歩く。

彼女の向かう先には、白いタキシードをきて顔を強ばっている君がいる。

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