俺だけ見えるパーティーレベル~本当は最強なサポーター生活~

信仙夜祭

第1話

 俺は、サポーターだ。まあ、支援職だな。

 物資の運搬と、食事の世話、雑用を熟す。

 日雇いで迷宮ダンジョンに入ったり、護衛任務に着いたりする。

 そんで、一仕事毎に契約解除。


 人付き合いが苦手なので、今の立ち位置はそれなりに気に入っている。

 それと……、収入は良かったりする。まあ、農民の数倍は稼げてる程度だ。



「おう、ウォーカーじゃないか。迷宮ダンジョンに籠るんだが、来ないか?」


 広場で、今日の仕事を探していると、声をかけられた。

 馴染の、ダイソンだな……。

 彼等をじっと見つめる。スキルの発動だ。


 パーティー名:金の猛牛

 HP:172

 MP:152

 STR:120

 DEX:56

 VIT:70

 AGI:20

 INT:64

 MND:34

 CHR:50


 大体は、100を超えれば一人前かな。

 でも怪我人がいるな、スピード……AGIが低い。今の彼等は危険だ。


「……数日篭りそうな物資ですね。予約があるので、今日は止めておきます」


「そうか。……まあ、また頼むよ」


「日帰りの時は、声をかけてくれると嬉しいです」


 それだけ言って別れた。

 そして……、『金の猛牛』は帰って来なかった。





 俺には、『鑑定』とは少し違うスキルがある。『人物鑑定』の亜種らしいけど、使い勝手は良くないのでサポーター止まりだ。

 集団を組んだ相手の、レベルが知れる……。まあ、使い方次第だよな。


 盾役がいるパーティーだと、VITはその人の数値になる。

 スピードは、パーティーメンバーの最も遅い人の数値になる。ただし、転移魔法とかあると、また変わるんだけど。

 STRは、攻撃力に直結するけど、DEXが低いと信用できない。当たらないとね。

 魔法は、攻撃の場合はINT、回復支援の場合はMNDだ。

 まあ、パーティーのレベルというか、実力が見える。

 詳細はこんな感じだ。


 俺自身の戦闘力は、一人だと正直ゴミだ。健常な脚があるだけ。

 後は、調理技術かな。これは、喜ばれている。旅先で、美味い料理を食べられるのは、冒険者たちにとっては、嬉しいことらしい。戦闘狂とは言わないけど、パンとワインだけ持って行く冒険者が多いので、俺は結構人気だ。


「さて……、今日はどうするかな」


 仕事を断ってしまった。こうなると、街中クエストだ。ドブ攫いかな~。

 そう思った時だった。


「君……、サポーター?」


 綺麗な女性だった。装備は軽装で、護衛が二人。

 見てみるか。


 パーティー名:未登録(王族)

 HP:212

 MP:301

 STR:111

 DEX:150

 VIT:98

 AGI:200

 INT:501

 MND:493

 CHR:809


『なんだ……、王族?』


 俺が怪訝そうな顔をすると、話を進め出した。


「近くで、魔物を狩りたいんだけど、知識不足でね。狩場とか教えてくれないかな?」


 断る理由がなかった。

 収入も良さそうだ。


「物資の確認をさせて貰えますか?」

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