第38話 内在と外在

 ボクたちは事務所に戻った。


 今日はめずらしく夜野さんがいた。


「どうやら内在を覚えたようだね」


「ナイザイ?」


「ヴァジュラを身体の内側に取り込み、肉体に反映させる。これが内在。逆に大気中に散らばるヴァジュラを集めて物質化するのが外在」


「ボクが最初に覚えたやり方ですね」


「内在と外在。これがヴァジュラの基本原理」


「キュウタ。それ、先に言えよ!」


「聞かれなかったから言わなかった」


 キュウタがボクを睨んだ。


 ちょっと距離を詰めすぎたか? やばい。あとで謝ろう。


「まぁまぁ。こういうのは体験してみないとわからないものだから。何事も経験だよ」


 夜野さんが割って入る。


 空気が一気に和む。


「戦ってわかったと思うけど、内在を使う時は気をつけてね。長時間使用すればどうなるかわかる?」


「ヒビが……全身に広がる?」


「そうなるとどうなると思う?」


「……」


 たぶん。ヒビワレになる。


 内在で拳を硬質化した時、気持ちが高揚した。


 たぶんアドレナリンが出ていたのだと思うけど、あれが続くと意識が引っ張られて意識を失うのだろう。


 拳だけでも、ああなるんだからもしも全身を閃輝で硬質化したら……考えるだけ恐ろしい。


「基本は外在。内在は切り札。覚えといてね」

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