異世界は指鉄砲でBANG!!

くずやま猫夫

第1話


どうも、はじめまして。僕は五十嵐 卓也いがらし たくやと申します。

ちょっと前に異世界に転職しまして今は冒険者をやっています。


お気付きの方も多いと思いますが、異世界転生ではなく異世界です。


前職がかなりブラックな職場環境だったので体調を崩し、それを理由に退職。

三ヶ月ほど療養した後に、とある転職サイトでこの仕事を見つけたんですわ。


ちょっと遠い場所での仕事って事なんで大丈夫かな?とは思ったんだけど、引っ越し費用も会社持ちだし、仕事用のスキルも教えてもらえるって話だったんで、転職を決めたんだけどね……。


まさか、異世界で冒険者をやる事になるとは……。

そりゃ、社長さんが神様なら異世界転職も可能だわな……。


んで、なんやかやありまして仕事用のスキルも教えて頂いたんですよ。

それなりの職業訓練でもするのかと思いきや、やっぱ神様だものね。

直接、僕の魂に植え付ける力技、あっという間に覚えました。


んで、頂いたスキルってのが『架空砲』ってスキル。

『滑空砲』じゃありません。『架空砲』です。


このスキルは僕が大好きな青い猫型ロボットの漫画のお話にあったヤツをモチーフにしたらしい。パクリでは無く「オマージュ」とか「リスペクト」というモノだそうです。

とは言え、神様特製のスキルなんでいろいろとチート仕様になってまして、魔力は必要とせず、射程距離は無限(てか、目視できる範囲)だそうです。


ただね…。撃つ時に「バン!」って発砲音を口に出して言わないといけないのが、ちょっと恥ずかしい。

小学生とかならともかく、大の大人が手を拳銃の形にして「バン!」って…。

魔力はいらないけど、精神力が必要なスキルだ。


そして『架空砲』ってスキルにオマケで付いて来たのが『スコープ』スキル。

意識を集中すると標的が見えるように視界が良くなるスキルなんだってさ。


で、最後にもう一つ『気配察知』スキルってのをいただいた。

これは読んで字の如く、気配を察知できるヤツです。


この三つが僕のスキルなんだけど……。

なんかチート級のスキルっぽいんだよねぇ~。大丈夫なんかなぁ?向こうの世界で魔王とか倒せなんて仕事じゃありませんよねぇ?


なんて心配してたら、神様が言うには「向こうで冒険者をやってれば良いだけの簡単な仕事だよ」って言ってた。

まあ、魔王とかはいるらしいんだけど、そっちは別の人が勇者の職に就いてやっているんだとか……。

でも、魔王とは無関係に魔獣とか、その他の困り事も多いんで勇者さんだけじゃ手が回らない。なんで、そっちの処理をお願いしたいとの事だった。


要は仕事の量が増えすぎて、勇者さんの職場環境がブラック化し始めちゃったから人海戦術でこれを改善しようというわけですな。


え?そうじゃない?勇者が思ってた以上に使えないヤツだったんで仕事の処理が追いついていかなくなった?


ああ~。勇者さんの処理能力が思った以上に低かったのが原因なのねぇ~。

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