え?!【NBC兵器魔法使い】の僕を追放?!しょうがないから田舎で平和に暮らすか……~一番追放しちゃいけないやつのスローライフ。世界が平和でありますように~

ねくろん@カクヨム

追放

「ファイン、『NBC兵器魔法使い』のお前をパーティから追放する!」


 僕の名前を呼んで、「追放」という言葉を投げつけたのは、この国一番の勇者アレスだ。


 そう、僕たちは魔王と呼ばれる存在を倒すために、暗黒魔大陸という魔族の住む世界にやってきて、世界の平和のために戦っているのだ。


 それなのに……いきなり追放ってどういうことだよ!


「アレス、僕は頑張って魔法を使っているんだ、一体何が気にくわないっていうんだい?」


「ファイン、お前の使う魔法が非人道的すぎるんだ。魔族にだって人権が~って特定の団体がうるさいんだよ!」


「そんな……井戸に生物B兵器魔法の『エボーラ』を放てって言ったのは、アレスじゃないか!」


「あんなことになるなんてわかってたら使わせなかった。神官のリリーは一週間も飯が喰えなくなったんだぞ!」


 なんて勝手なことを言うんだ……、確かに「エボーラ」の殺傷力は高い、けど、効力を発揮するまで時間がかかるのが気にくわないんだろう。アレスは「遅すぎる」のが気にくわないってことだろうな。


「……それに、お前のN兵器兵器魔法も最悪だ!魔獣をチリ一つ残さないじゃないか!ゴールドも焼き払って、どうすりゃいいってんだよ!」


「う……ご、ごめん」


 これはたしかにアレスの言うとおりだ。一番使い勝手のいい核兵器魔法「テッポードン」でも、大きな町くらいの範囲を更地にしてしまう。リバイアサンやベヒーモスみたいな、Sランクの災厄系魔獣でも消滅させられるが、言い換えれば何も戦利品が残らない。


「だから最近は、化学C兵器兵器魔法を使い始めたじゃないか?」


「あの『イーペリット』ってやつか?あんなの最悪の部類じゃないか!お前がもう死んだからって、魔獣フェンリルを盗賊のゴンザに触らせたら、あいつ悶絶して蘇生しても死んで、合計12回も死んだじゃないか!」


「蘇生してもその瞬間死ぬから、呪いか何かかと思ったんだよね……何回も条件を変えて、ようやく服に付いた『イーペリット』のシミが原因だってわかったんだっけ」


「他人事じゃないぞ!!……もう決めた、ファイン!お前を勇者パーティから追放する!」


 こうしてNBC兵器魔法使いの僕、ファインは勇者パーティから追放されてしまった……。


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ここまで読んで頂き有難うございます。


おおよそ3万字~5万字までを目標にした中編です。


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