『正しい紙の切り方 』をよんで

わたくし

磯浜市立甘木小学校6年2組 貴狼守衛(たかろうまもる)

 ぼくは図書室でこの本を見つけた時、「紙工作の本かな?」と思いました。

 ちょうど夏休みの自由研究の題材に良いと思ったので、借りてみました。

 読み始めて驚きました、紙工作の本ではありませんでした。

 この本の前半はある人物の自叙伝でした。後半はその人物の政治手法、群集心理についての考察とプロパガンダのノウハウが書いてありました。


 前半のタイトルは『ハサミの研ぎ方』と書いてありました。

 ある人物の『フューラーさん』が美術学校の受験に失敗した後に浮浪者となって辛酸を嘗め尽くした生活が書いてありました。やがて『フューラーさん』は戦争に兵隊として参加して勲章を貰い、戦後はある政党の党首になって政権奪取の為の国政選挙に打って出る所で終わっていました。

 ぼくは、『フューラーさん』が浮浪者から国会議員になったのは、スゴイなと思いました。


 後半のタイトルは『馬鹿とハサミは使いよう』と書かれていました。

 馬鹿(暴力)とハサミ(インテリ)を上手く使って、紙(一般大衆)を自由な形に切り出す(扇動する)方法が書いてありました。

 後半を読むと、ぼくでも児童会会長選挙に立候補して当選ができる気がしました。


 この本を読んでいると、ぼくはある人達に嫌悪感を持つようになりました。権力者に取り入って、陰で陰謀をめぐらし、汚いお金稼ぎをするグループです。ぼくは、この人達に正義の鉄槌を下したくなりました。隣のクラスのAさんはこのグループの一員だと思います。後で鉄槌を下しに行きたいと思います。


 ぼくは、この本の『フューラーさん』はスゴイ人だと思いました。この本の中の『フューラーさん』は常に闘争しているので、きっと国会議員から首相に、首相から大統領に、大統領から領になると思います。やがて『フューラーさん』は世界中の紙を一つの形に切り出すと思いました。その形は『卍』です。ぼくは、「『フューラーさん』はお寺が好きなんだな」と思いました。

 その時になったらぼくは、『フューラーさん』を称えて右手を真っ直ぐに伸ばして挙げて、「勝利ばんざい!」と叫びたいと思います。


 最後にぼくは、この本がなぜ図書室にあったのかを考えました。きっと神様がぼくに「『フューラーさん』みたいになりなさい」と言うお告げだと思います。


 おわり






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