ゾンビだらけの世界で俺はゾンビのふりをし続ける

@kimamani007

第1章 警察署編

第1話

俺の名前は#黒藤冬夜(こくとうとうや)。21歳の大学生……いや大学生だったと言うべきだろうか。今の俺の姿を見て大学生と思う人間はいないだろう。いや、そもそも人間すらここにはもういないのかもしれない……。


「ヴォォォ……」


 誰か俺の姿を見ているのだとしたら、これは決してふざけているわけではない。仕方のないことなのだ。


「ヴォォォ……ヴォォォ……」


 この姿は俺なりに真剣に考えて出した結果である。


「あぁ……早く元の世界に戻ってくんねーかな……」


 そう今の世界は人間が支配していた世界ではない。もうこの世界はゾンビに支配された世界なのだ。


 そして俺はこのゾンビの世界で、ゾンビのふりをしてこの辺りをウロウロしている。他の人間はゾンビに襲われて同じゾンビへと変貌を遂げてしまった。


 では俺はというと……、俺だけが何故かゾンビに襲われないのだ。そしてゾンビに襲われない俺が、どうしてこんな所でゾンビのふりをしているのか……。


 ゾンビのフリをする考えに至った経緯を過去を遡って話そうと思う。






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