【登場人物】

■ リル

「あ、あの……いえ、なんでもないです」

 猫族/少年/いつも八の字眉毛の困り顔。

 金に見える薄茶色の巻き毛気味の髪は耳に僅かにかかる長さ。鳶色の目。背はそんなに高くなく、肉付きは薄い。病弱。全力疾走無理。生き甲斐と豪語する程妹が大好き。妹中心の人生だった為、ザインの捕虜になってから何をどうすればいいのかわからず戸惑いの毎日を送る。誘拐した本人であるジュストの事は許しているが、口には出さない。無き猫族の国の第一王位継承者。




■ ルル

「わかりました。私一人で兄を助けに行きます」

 猫族/少女/リルの双子の妹。

 茶に見える金の緩やかな巻き毛の髪は腰ほどの長さ。鳶色の目。リルと同じ身長と体型。心の病を患っていると詐病しているだけで心身共に至って健全。兄に依存しきっている自分が嫌いだが、現状を打破できない。リルがジュストに連れ去られた以降は兄の救出に乗り出す。長年の寝たきり生活が祟り体力もなければ全力疾走も難しい。無き猫族の国の第二王位継承者。




■ ザイン

「言いたいことがあるなら言いなさい」

 犬族/青年/言動に本心は含まれていない。

 漆黒の真っ直ぐな髪は肘くらいの長さ。黒目。中肉中背だが身長がある為ちょっと威圧的。大国の第一王位継承者。常に満足げな笑みを湛えているので何を考えているのかわからない。幼少の頃から続いた世継ぎ問題が災いし、国王である父以外の人間には一定の距離を置いている。猫族を嫌う父からリルを隠すという遊びにややはまりつつある。美形の部類。




■ キース

「俺はあんたに惚れてんだ。一言お願いしてくれるだけでいい」

 狼族/青年/一目惚れして、自ら巻き込まれた。

 銀色の真っ直ぐな髪は肘くらいの長さ。銀目。長身の痩身。見た目が派手でいかにも軽そうな印象。盗人の一族なのだが戦闘は苦手。鍵開けとかが得意。スイには頭が上がらない。ルルに一目惚れし、リル救出に自ら名乗りを上げた。実姉の恋人が兎族のスイだったということもあり恋愛観は寛容で積極的。美形の部類……のはず。




■ ジュスト

「俺の主様はたったひとり。それだけで満足しなければ」

 狐族/青年/無表情。

 金色の短い髪。金目。痩躯。猫の国王の従者。犬族の奇襲に遭った時はリルとルルを脇に抱えて逃げた。双子の優しい兄という立ち位置であったが、リルをザインの元に届けてからは感情を外に出すことはしなくなった。リルよりルルを選んでしまった罪悪感からかリルとは距離を置こうとする。が、どうも忠義心が捨てきれなくて何かと手を焼こうとする自分に最近気づいて落ち込むことも多々。




■ スイ

「僕は反対だ。絶対に」

 兎族/青年/時々、苛々する。

 短い白髪。赤目。小柄で背は低い、リルと同じくらい。〝強弱の双仔〟と呼ばれる特殊な生まれで属性は〝強の仔〟。キースとは昔一緒に暮らしていた。自警団に所属していた折、世話になったジュストには恩があり、ルルの面倒を任されている。ルルがどうしてもと言うのでリル救出に手を貸すことになった。キースとは昔に恋人を挟んだ確執があり、彼との再会には素直に喜べない。たぶん、作中最強。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る