第3話 まさかのプロポーズ
そして、ここからが本題でウーラノスの世界では今は少し悪の方に傾いてきてしまっているよう……。まだまだ、世界には大打撃とはいかないがあまりに放置してしまうと悪の方の魂達が沢山ウーラノスの世界に転生してしまう……。
そこで、天音の出番。天音には神の使徒、ウーラノスの代弁者として世界に降りて欲しいらしい。
それならウーラノス自身が地上に降りて管理したら?と思うかもしれないが、そこは創造神ゆえの不便さ。世界を創造した神は世界への影響が半端ない。降り立った瞬間に人の魂への影響は計り知れない……。そもそもいい方に働けば良いが、悪い方へと傾いたら最悪だ。
だから、創造神が選んだ使徒にお願いするのが定番なんだとか。ちなみにウーラノスの世界以外にもそうしている世界は多々あるらしい。
「ずっと羨ましかったんです!! 他の神達は相性のいい自然の魂が次々と見つかって使徒にしているし、楽しそうだし、幸せそうだし、世界も成長しているし……!!」
ウーラノスは説明が終わると自分の本音を言う。
そんなウーラノスとは対照に私は現実逃避したくなった……。
いやいや、話が壮大すぎて……。だけど、最後のウーラノス様の本音を聞くとただ使徒が欲しかっただけのような気もする……。
ははっと乾いた笑いが溢れる。
そんな私に気づかずにウーラノスは白熱していく。
「本当は神の使徒としてだけじゃなくて僕のお嫁さんにもなって欲しいのです!!」
その言葉を聞いて思わず吹き出しそうになる私。
「えっ!? 何!? お嫁さん!?」
今までの話が吹っ飛んでいそうなくらいの告白だ。というかこれはプロポーズされたのか!?
驚きを隠せない私。
「そうなんです!! だって天音さんを初めて見たときから僕、一目惚れしちゃったんです!!」
突然の告白に頬が熱くなりそうだが、私は手放しに喜べない程には年齢を重ねてる……。
「いやいや、ちょっと待って! 大体、神様と結婚?なんてできるの? それにいきなり言われても、ね……」
「それができるんですよ!! 自然の魂だし、相性良いし!」
相性いいとか、自然の魂とか何回も聞いたわそれ……。
「いや……、ごめんなさい?」
一応返事を返した。
その返事に焦るウーラノス。
「そんなすぐに返事をしなくても!! 今すぐにお嫁さんになってという話ではなくて後々って感じだったのに……!!」
そんなこと言われてもね〜。 まあ、少しは嬉しかったけどね……。
美形のウーラノスにプロポーズされて悪い気はしない。だけど、信頼できるかは今はまだ分からないので素直に喜べないだけで……。
私がそんなことを心の中で思っている間、ウーラノスは少なからずショックを受けていた。
しょんぼり顔のまま話を続ける。
「とりあえず、お嫁さんのことは後々でいいです……。 なってくれたら嬉しいですけど……」
ウーラノスはウルウルとした瞳で私はのことを見る。
一方私はどう返したらいいか分からず、流すことにした。
とりあえず聞き流そう……。
ウーラノスは私が何も反応しないことを確認すると最後にがっくしした後、切り替えるようにキリッとした表情になる。
「本題は僕の使徒になってほしいと言うことです。使徒となり地上の管理をお願いしたいのです」
「その管理って言うのは具体的には何をするんですか?」
まだ神の使徒になるかはどうかは置いておいてどんなことをすればいいのか気になるところ……。
「すみません、神の使徒になると決意しないと具体的にはお話できないのです……。ですが、基本的には僕がこうして欲しいとその都度依頼します。天音さんはその通りに動いて頂ければと思います。あとは自由に僕の世界を楽しんでください!」
ふーん……。具体的に言えないってことはその世界に介入するっていうことだからまだ私は外部の人って感じなのね。なるほど……、ルールがあるってことね。
結局、私はウーラノス様の依頼っていうかお仕事をしろってことか……。
ちょっと魅力的なことが見つからないな……。 もうめんどくさいから断ろうかな……。
そんなことを考え始める私。考えた末に出した答えは……。
「あまり私にとって魅力的なお話がないようなのでこのお話……」
「ちょっと待ってください!!」
私はめんどくさいが勝って神の使徒になることを断ろうとしたが、ウーラノスは天音が話している途中で待ったをかけた。
「もちろん天音さんに僕の依頼をこなして頂くために天音さんの希望もちゃんと聞きます!! それに僕の世界に行ってもゆっくり休めるように土地もご用意します!! 最初は聖域と呼ばれる所にご用意致しますが、後々天音さんが気に入ったところを聖域にしてもいいですし、もちろん家もご用意致しますよ!! それに神の使徒ですからね、それなりの力も授けますので身の安全も保証します!! どうでしょうか!?!?」
怒涛のごとくウーラノスは私にアピールする。その迫力に私は押され気味だった。
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