異次元の花嫁~この世界なら君と恋が出来るから…。【僕はずっとここにいたいのです】

三愛紫月

プロローグ

始まり

タイムマシンが、早く出来ないだろうか?いや、いっその事男も赤ちゃんが産めます。そんな世の中が、きやしないだろうか?僕の名前は、香月理一こうづきりいち。そして、僕の視線の先にいるのは星野蒼ほしのあお。蒼と僕は、小さな頃から家が隣同士で…。僕は、物心ついた時から蒼を大好きだった。


蒼:「りっくん、ボッーとしてたら危ないよ」


理一:「あっ!ごめん」


僕は、いつも蒼に怒られてる。


蒼:「それで、さっきの話どう思う?」


理一:「さっき?」


蒼:「あー、またお得意の聞いてなかっただろ?」


理一:「ごめん」


蒼は、僕を見つめながら怒っている。実際、僕は話を聞いていたから…。タイムマシンや赤ちゃんの話を考えたのだ。


蒼:「だから、花岡さんから二回目の告白を昨日受けたから…。やっぱり、一度は気持ちを受け入れた方がいいのかな?って話しただろ?」


理一:「あー、うーん。蒼は、花岡さんが好きなの?」


蒼:「好きでも嫌いでもないかな」


理一:「そんな気持ちだったら花岡さんに失礼だと思うよ」


いやいや、違う。僕は、花岡さんと付き合って欲しくないだけだった。


蒼:「そうだよなー。よくないよなー」


そう言いながら、蒼は考えていた。僕は、蒼の横顔が特に好きだった。降り注ぐ光が、蒼の顔の陰影をハッキリつける。その顔が、あまりにも綺麗で…。僕は、蒼から目が離せなくなるんだ。


蒼:「花岡さんには、付き合えないって話すよ!ありがとな!」


理一:「うん」


蒼は、僕にそう約束してくれた。


学校の門をくぐると花岡さんが、蒼を待っていた。


花岡:「星野君」


蒼:「おはよう」


花岡:「返事聞かせてくれない?」


蒼:「今?ここで?」


花岡:「うん」


沢山の生徒が行き交うこの場所で、花岡瑞希はなおかみずきは、蒼の答えを求めた。


蒼:「えっと、理一。後で」


花岡:「香月君もいていいから」


花岡さんは、真剣な顔で蒼を見つめていた。


蒼:「いいよ」


はぁ?えぇぇ?さっきまでの話しは、何だったんだ!いいよって、何だよ。あんな事も、こんな事も、全部、全部、全部、花岡さんとするの?蒼……。


胸が締め付けられて、僕は走り出していた。


蒼:「理一、待って」


蒼の声なんか聞きたくなかった。


結局、どれだけ一緒に過ごしたって僕は男で…。

幸せそうに、ニコニコ微笑むのはいつだって女の子なんだ…。

僕は、どの世界線にいったって蒼に選ばれる事はないんだ。


悲しさと悔しさと惨めさが、折り重なって複雑な気持ちだ。


もう、蒼に会いたくない。蒼を……。


理一:「とられたくなかったよぉぉー」


僕は、その場に崩れ落ちて泣き叫んだ。

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