第5話
よく見る光景、よく知るやり方。
周りは当たり前のようにサンドの中に諭吉を入れていく。
あたしはカバンからそっと財布を出した。
おそるおそる諭吉を取り出す。
何だろう?このドキドキ感。
生きてる上で味わったことない感覚。
あたしはゆっくりサンドに諭吉を入れた。
「あたしの諭吉が...」
諭吉はデーターになり数字が表示された。
9000と言う数だけが見える。
「涼宮さん?ほら、回してくださいよ」
あたしは緊張のあまり手が止まっていた。
慌ててメダルを台に入れ回す。
この台の当たりは見てすぐわかる。
お花を育てるだけだ。
レバーを叩き台の画面のお花が光ったら当たり。
そしてそのときがきた。
「あっ涼宮さん光りましたよ!狙ってください」
何だろう?この感覚。なんとも言えない胸の鼓動に動揺しつつあたしは狙った。
「ってあれ?狙えない」
みんなが当たり前に出来てることがあたしには上手く出来なかった。
戸惑うあたしに月島さんはやってあげるといい交代した。
図柄が揃うと頭の上の方からキュインキュインと聞いたことのある音がした。
何これ?すんごく楽しい。
ノリのいい音楽、それに合わせて下から出てくるメダルの音や量。
全てが今までに味わったことない快楽を覚えた。
これが涼宮凛の落ちていく瞬間だった。
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