第464話 おかしい

息苦しさはなかなか取れず、咳も続く。

気管支炎か、仕方ないなあ。


新しい薬を言われたとおりに飲んでも、苦しさは消えなかった。


もう一度同じ病院で受診した。

肺炎の可能性もあるということで、近くの別の病院へレントゲンをとりにいき、データを持ち帰って診察してもらうことに。


「肺炎とは言いたくないですが、肺に影もあって肺炎ですね」


パルスオキシメーターは98%。


健康なのかそうでないのか混乱する。


子どもの一人も実は高熱が続いているとのこと。LINEで連絡がきた。

「ちょっと検査に行ってくるわ」


「陽性だったわ」



食べる物に困る場所に学生寮があるので、何かこちらで食料を確保して宅配便で送ろうと家を出ると、夫が帰ってきた。


「直接届けよう」


寮に一番近いイオンでリクエストされたものを購入して、本人に届けた。


夫も私もコロナには罹ったが、子どもが罹った株と違ったら、もう一度感染する可能性もある。

肺炎を起こしている私は車の中で待ち、夫が寮の入り口に荷物を置いて、本人に持っていくように伝えた。


なんか怪しいブツの受け渡し現場のような。

手渡すよりも安全という判断。


夫の当初の計画は、寮の入り口のこちら側に荷物を置いて、本人がその荷物を回収する。

本人とは接触はしないというはずだったが、本人が両親揃って荷物を持ってきたことに喜んでしまって、入り口から走り出てきた。

少し後退りする夫。


最小限の会話をして、すぐに帰ってきた。


今日は朝から晩までおかしな一日だった。

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