第422話 同級生

子どもたちの同級生が結婚して子どもが生まれたのを新聞の地方欄で見る。

一応は拒否したら載らないようだが。

お悔み欄もあるのは、田舎だけなんだろうか。


田舎で同級生の人数が少なく、小中とクラス替えがない状態だったから、名前は憶えている。とはいっても、名前が書かれているものを見て、「あ!」と思い出すような始末ではあるが。


ぽつぽつと同級生男子が父親になっているのは、新聞でわかる。

子どもの名前と父親の名前がセットになって掲載されている。

きっと同級生女子も既に母親になっている人も出てきているんだとは思う。

疎遠にしているし、興味がないから知らないままでいよう。


うちの子の名前がシワシワネームだと言って笑っていた一味がいた。

その一味の一人の息子が最近父親になったようだが、うちの子の名前とそっくりな名前を付けていて驚いた。


ばあさん、息子と嫁にあの嫌な笑いをしなかったのだろうか?

多分、愛称はうちの子と同じになってしまうぞ。

呼ぶたびに申し訳ない気持ちになれと思うのだが、まあ、あんなことをできる人間が普通の神経を持っているとか賢いとは思えないから、すっかりさっぱり忘れているんだろうな。


別に近くで顔を合わせたところで、もう話すこともなにもないので。

こちらの心の中で(いい名前なんだから、いちいち他を落として笑うような真似は金輪際やめろよな)と思うだけだ。

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